あなたside
『っ~、はぁ~』
自分の家へ帰ってベットへダイブする。
『秋山 エイジ、』
その名前が私の頭の中を駆け回って。
ポケットの中から白い紙切れを取り出す。
『LINE、登録してみよっかな』
スマホを取り出して、手慣れにLINE追加をする。
追加したのはいいものの、なんて送ったらいいのかわかんなくて、スマホのトーク画面をじっと見つめた。
"どきどき"
と
自分の胸から伝わってくるのがわかる。
『私、どうしちゃったんだろ、』
今日の私はおかしい。
赤髪から覗くあの笑顔に
ふわりと香る暖かい匂いに
優しく抱きしめてくれたあの腕に
子供じゃないのに
"先生"と呼ぶ、優しい声に
秋山さんの全てに
甘酸っぱい気持ちが心を満たす。
これがなんなのか、
気づくのは
まだまだ
先になりそうです。
🍎
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。