嫌い。
嫌い。誰かが、とてつもなく嫌い。
雨の中 びしょ濡れになりながら
私はそんなことを考えていた。
感情にまかせて家出しちゃったけど
当分は 戻らん。やだし。
けど、みっちーに怪我させちゃったし
デビューのこと…
「 そんなん、忘れた 」
「 忘れたなんて言わせない 」
うん、忘れたことなんてないよ。
ごめんね、駿佑。ごめん。
けど、今は、戻るのやだな。
自分勝手でほんま ごめんな。
誰かにかくまってもらいたいけど…
関ジュはみんなダメやな (笑)
絶対に情報提供しちゃう。
そーだ。東京。東京に行こう。
きょもちゃんとかなら… 大丈夫かな、
明日確か 東京仕事で行く予定だったし!!!!
私は、そんなことを頭で思いながら
東京に行くために 最寄りの駅へ向かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!