目が覚めたら、最近見なれてきた東京の街並みが
私の横を流れていた。
花音ちゃんの心地いい運転の車の中だ。
あ、なにわカーはメンバーと花音ちゃん+心でひとつの車の中で別れてるんです。
私はというと
流石に脱がせるのは無理だったのか、少しボリュームが少なくなった白いドレスに
あたたかいチョコレート色の毛布がかかっていた。
肩や周りには
ぐっすりと眠っているみんな。
私の肩から起き上がって、眠い目を擦りながら私を見てくる恭平。
恭平の綺麗な瞳を見たら反射的に出た言葉。
夢の中でずっと言いたかった言葉。やっと言えた。
しばらくきょとん、としていた恭平は
不意ににこっ、と笑って
まだセットした時の名残が残っていてくるくるな私の髪を優しく撫でた。
ニヤニヤしながら私の頬を手で優しく包む恭平。
そのまま、顔が、近づいて…………………
みっちーの叫び声で一瞬で阿鼻叫喚になる車内。
続々とみんなが起きてきて恭平はお兄ちゃん組に尋問。
私はりゅせちゃんの腕の中〜〜〜〜
いや、近づいてきただけでちゅーはしとらんからな???
もうみんなには素直に守られよう。
守られることに申し訳なくなって悩む時間があったら
守られる価値のあるメンバーになれるように努力しよう。
そう思った、煌めく東京を走る車内での出来事。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!