これはかれこれ 約 4年前のお話
私がまだニコニコや地下の方で
活動していた頃でSNSでは元々
人気だったが地下の方は割と
知名度はそこそこだった
歌う事は昔から好きだったし
アイドルは憧れていた職業でも
あったらその分には楽しかった
世で言うキモオタっていうの ?
そういう人も沢山いたけど
私はキモいだなんて微塵も思わなかった
直接ファンに会えるなんて
これより嬉しいものなんてなかったから
" Pretty biscuit " とかいう私が
所属していた6人程度のグループは
メンバーの抜け入れが凄まじかったが
私の人気は微動だにせず
事務所からもかなりの優遇を受けていた
嫉妬にまみれたメンバー達から
枕営業だとかコネだとかあること
ないこと言われたりもしたが
正直気にもしなかった
私が可愛いのは生まれつきだし
その上で努力している私と大して
可愛くもないのに努力すらできない
女達なんかとレベルが同じなわけがない
衣装を隠されたり イヤモニ壊されたり
影でコソコソとしょうもない
子供のいじめのような事を
されていた時もよくあったが
昔から立ち回りだけは上手かった
普段が衣装だからこそ私服が
珍しいとファン達の間で私服チェキの
レートが上がって 、むしろいつもの
10倍以上の枚数のチェキが売れた
別にそのまま気にすることもなく
アイドル人生を気ままに生きていた時
出会ったのが " あの男 " だった
それこそ有名なアイドル達とは違って
そこまで売れていない私たちは
控え室以外トイレなどはファン達と
同じ場所を使っていたりしていた
その男とはたまたま私がハンカチを
落とした時に拾ってもらった時に
初めて顔を合わせた
… この人いつも最前にいる人だよな
自分で言うのもなんだが 、
ほぼこのグループは私の1強で成り立って
いるようなものなのでその分
お金を沢山落としてくれる熱狂的な
ファンが割とつきやすい
その為毎回最前をとるというのは
中々に難しいことだと私も知っていた
中々ハンカチを渡す手を
外そうとしなかったのが印象深いが
今思えばここから繋がろうとしていたのだろう
だがここから展開は早かった
思いのほか実はこの男はうちの兄の
友人だったらしくよく家にも来ていた
だから関わらざるおえなかった
うちに必然的に仲良くなった
その当時は私も成人したばかりで
まだまだ心は少女だったのだと思う
話したくも思い出したくもないので
省略するがファンとしてでなく
1人の男性としてお付き合いした
彼の本性が現れ出したのは
多分この時からだったと思う
相手は4歳年上で付き合う前は
ほんとに優しい人だったから
戻れるに戻れなくなった
別れるといえばファン達に晒されて
職を失い 、 そのまま付き合い続ければ
DVを受け続けることになる
どちらかを選ぶなんてまだ当時20歳の
私には決められなかった
アイドルは好きだったしそもそも
晒されればSNSの姿を知っているファンも
古参には一定多数いるからそっちの面でも
活動できなくなってしまう
完全に職を失うことになるのだ
アイドルだって一人の人間だから
恋愛してもいいだろうと思っていたが
この時私は初めてファンを裏切って
付き合ったことを後悔した
私の所属するグループは
知名度が爆発的にあるわけでもなく
むしろ私の人気で存続をキープしている
ようなものだったからお金でかき消せる
ほどの力はうちの会社にはない
俺だけにファンサしろとか
他の人にしたら晒すとかさんざんな
ことを要求されたりもした
でも従わないと水の泡
ステージが終われば メンバーからの
陰湿ないじめと彼氏からのDV
私には歌しかなかったから
ステージだけが逃げ場だった
私の扱いはほぼ家畜に等しく
弱みを握ったからと無理な要求ばかりを
してできなければ殴る蹴るのオンパレード
私の人生はこんなやつ1人に
壊されるんだと諦めたその先に
人生最大の転機が訪れた
他のメンバー達は混乱していたが
これほど嬉しかったことはない
子供みたいなメンバーからも
くそみたいな彼氏からも逃げられる !!
その同時期に私はニコニコから
YouTubeやツイキャスに活動拠点を
移してからナビとしての人気も
かなり上がっていて絶好調だった
私はうっきうきで彼氏に電話した
別れるとはっきり告げるため
ほぼ一方的な別れだったが
これで私は開放された
すぐさま電話を切り 、
これからどうするかなどを考える
──── この1年後
私はついに " 彼ら " と出会った
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。