第129話

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2022/07/02 13:51





慎太郎「今日も開催します!!森本会!!」

大我「開催されすぎ」

優吾「毎日やってんじゃん」

慎太郎「そこ!うるさいです!」

ジェシー「俺行くー!」

北斗「俺も行くかー」

慎太郎「お!いいね!ほくちゃん!」



仕事終わりにわいわいと、


私の周りでそんな言葉が飛び交う



慎太郎「あなた来るよね?」

ジェシー「え?行くでしょ?」

慎太郎「最近なんだかんだずっと参加してるもんね??」

大我「え?!そうなの!?」

優吾「お前らもう一緒に住めよ、」

北斗「それ言ったら終わり」



いつもなら当たり前のように乗り気だった


でも今日は樹がいる


帰ったら彼がいるのだ



『ごめん、今日はいいや、』

ジェシー「え、?まじ?まじ?」

慎太郎「嘘だろ?!」

北斗「あなただって行けない時ぐらいあるだろ」



私が夜ご飯の誘いを断っただけで


大袈裟な程に悲しむジェシーと慎太郎


そんな二人を見て相変わらず冷静な北斗とこーちときょも


そんな5人に囲まれながら


気づけば会社の外だった



『じゃあ、また明日!楽しんでね!』



なんて手を振って前を見た瞬間


私に飛びつく何か


嗅ぎ覚えのある匂いに


大好きな匂いと声



樹「来ちゃった」



そっと離せば


にかっ、と笑う樹の顔がある



ジェシー「え?え?」

慎太郎「お?」

大我「まじか」

優吾「どうゆう状況、」



こんなシーン前にもあったような、なかったような



ジェシー「樹じゃん!!久しぶり!!」

優吾「飲み込み早すぎでしょ、」

大我「戻ってきたの?」

『うん、昨日、』



なんて答える私に


慎太郎があなた、と私の名前を呼ぶ


珍しく真剣な顔にはい、と返す



慎太郎「お前言えよ!!!バカか!!」



なんて言ってドン、!と


かなり強めの肩パンを食らう



『いった、!!』

ジェシー「よし!今日はあなたの家にするか!」

慎太郎「賛成!!」

『ちょ、ちょ!!』



そんな私を置いて


当たり前のように私の家の方面へ


スタスタと歩き出す2人



大我「良かったね、」



私の横に来てそんなことを言うのはきょも


頷く代わりににこっ、と笑ってみせる



大我「樹、もうあなたから離れちゃダメだよ」



それだけ言って私の隣を歩く樹を


ちょん、とつつきながら面白そうに笑う



北斗「てか、ちゃんと言ったんだよな?」

『それが、まだで、』

北斗「はぁ?!」

『だって、』

北斗「言い訳無用。今日告れ、今告れ、」

『いやいやいや、!それはね、?ちょっと、』

北斗「ああ!もう!!」



きょもの次は北斗が隣に来て


そんな会話をこそこそとする


わかってる、


ちゃんと言わなきゃいけないのは、


でも、タイミングとか、言い方とか、


全てが分からない、


もしかしたら自分が思ってるより


恋愛経験値が低いのかもしれない


いや、絶対そうだ、


ああ!!どうしよう!どうしよう!


考えれば考えるほど分からない!


そんな私の手に指を絡ませてくるのは


樹だった。


驚いて隣を見れば


何も無いかのように「ん?」なんて


首を傾けてみせる


やっぱり樹には敵わない


当たり前でしょ、なんて言いたげな彼の笑顔に


嬉しいような、悔しいような、



ジェシー「ああぁ!?!こいつら手繋いでる!!」

大我「え!?」

慎太郎「ヒュー!ヒュー!」

優吾「ラブラブじゃん」

北斗「子供か、お前ら」



気づけば隣には照れ隠しのように笑う樹と


反対隣には相変わらずな北斗がいて


ジェシーがふざけて


慎太郎かそれにのって


きょもが笑って


こーちが突っ込んで


それに笑ってる私がいて


それだけで、


誰よりも幸せな気がした


もう離れていかないように


ぎゅっと、繋がれた手を握り


思う存分幸せに浸かった


いつまでも続くようと、


願いながら
















拾った獣 おわり。




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