北斗side
自分の方から
あなたのことよろしくね、
なんて言っておいて
楽しそうに話す2人をみて勝手に不機嫌になって
バカじゃん、俺
ジェシーと慎太郎が面白がって
2人を茶化すけど
あなたは完全に酔ってるし
あっちだってすごい一生懸命否定してる
そんな光景を見て小さくため息を吐く
北斗「あなた、もう寝ろ。明日も仕事」
「えー、あとちょっと」
ソファーに寝転がりながら
おねがい!なんて言って駄々をこねる
俺は親か、
北斗「ほら、」
手を出せば
仕方なさそうにその手を握るあなた
ぎゅっと掴み起き上がらせる
ジェシー「えー!まだはっきりしてないのにぃ!」
慎太郎「ここまできたらはっきりさせようぜ」
そんな2人もどうせ酔ってる
適当に受け流し
あなたをベットまで連れていった
「みんな適当に帰らせといて、」
北斗「ん。」
もう既に口調が柔らかいあなたに
そう返して寝室を出る
「北斗、」
北斗「、ん?」
振り返った俺に
「おやすみっ、」
なんて言って
俺の方を向いてふにゃっと笑う
ほんとこうゆうところだよな
マヌケさにクスッと笑ったあと
おやすみ、と返して寝室を出た
自分の気持ちには気づいてる
でも今更言ったところで、
っていう話だ
今の距離感がちょうどいい
結局それに過ぎないから
そんなんばっかを繰り返してる結果
何をすればいいのかも
自分がどうしたいかも
何も分かってない自分に腹が立って
頭をクシャクシャに掻いた
バカだな、全部。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。