第39話

XXの真偽 ⅩⅩⅩⅠ
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2020/05/05 15:00
代々木よよぎ あかつき
うわ‥‥‥
赤く轟々ごうごうと燃える炎を見て、俺は嘆声たんせいをの声を漏らす。

このままでは自分が本能寺の炎にかれてしまうことを察知し四月一日の腕を掴んだ俺は、自身の能力で空へと飛ばしたドラゴンに掴まり空へと逃げた。
炎は空へは届かず、俺と四月一日は無事なのだが‥‥‥
四月一日わたぬき 柊也とうや
えっと‥‥‥代々木先輩、大丈夫ですか?
四月一日は心配そうに俺を見上げる。
代々木よよぎ あかつき
ん~、まぁ今のところは。
そうですか‥‥とあまり腑に落ちなさそうな顔をして目線を地上の炎へと戻す四月一日。
そんな四月一日を見て、俺は「これ、いつまで持つかな‥‥」とぼやいた。

炎を逃れる為に四月一日の腕を掴んだのはいいものの、長時間片手で男子高校生を持っていられるわけがない。

ユリ、はよ来い。そろそろ腕がもげ始める。
ユリ
あ、呼んだ~?
こいつ、心を読んだのか?
そう思わずにはいられないユリの登場に、俺は目を見開いた。
代々木よよぎ あかつき
呼んだっちゃ呼んだけど‥‥心臓に悪い。
ユリ
あはっ、ごめ~ん!
近くのビルの屋上から話しかけるユリは、語尾に星でも付きそうな喋り方をする。
ユリ
ま、勝敗は決まりだね!
ユリ
第五試合、E対F!Eの全滅によりFの勝利とする!
ユリはそう満足そうに笑って、一度だけ手を叩いた。

























そして、俺らは競技場へと一瞬のうちに戻った。
代々木よよぎ あかつき
はぁ‥‥‥終わっ
成瀬なるせ 冴羅さら
あーかーつーきーくーーーん!!
代々木よよぎ あかつき
ぐぇっ
成瀬なるせ 冴羅さら
暁君!ドラゴン役に立ちまくりでしたね!!
俺が競技場に戻った途端に飛び出してきたであろう冴羅は、俺の腰に腕を巻き付けながら俺を見上げた。
その顔は、怖いほどにきらきらした笑顔。
代々木よよぎ あかつき
ソーデスネ。
こんな顔をする少女は、躊躇なく街に隕石を落としたとんでもない奴だ。
あぁ‥‥‥俺、冴羅お前の所為で天才が苦手になるよ。きっとね。
成瀬なるせ 冴羅さら
えへへ~!もっと褒めても良いんですよ~?
ニヤニヤと笑う冴羅の腕を腰から剥がした俺は、何食わぬ顔で冴羅の頭に手を置いた。
代々木よよぎ あかつき
ん、助かった。
俺はそれだけ言って席に戻ろうと歩き出す。
その隣を、後から追いかけてきた冴羅が嬉しそうに歩いた。
成瀬なるせ 冴羅さら
前回はいっちばん最初にられてたんで、今回は最後まで生きてて良かったです。
代々木よよぎ あかつき
そこは掘り返すなよ‥‥
俺は苦笑する。
チームで一番年上の俺が、誰よりも早く離脱したんだ。少しくらいはプライドに傷が付く。
ユリ
はいはぁ~い!それでは!
ざわざわとした競技場内の空気を断ち切るように、ユリの声が響く。
あ‥‥そうだ。まだ残っていることがある。
音羽おとは 捺祢なつね
分かってると思うが、今回活躍が一番なかったチームはE。
ユリ
つ、ま、り!Eチームで生き残れるのは一人~!また戦ってもらうよ。
ユリは楽しそうに、けれど不気味に、ニッと笑う。

あぁ、嫌いだ。あの笑顔。背筋が凍るような、不気味な笑顔。

俺はそう思って溜息を一つ零し、さっきから嬉しそうにして表情を変えない冴羅と、一緒に席へ戻ったのだった。

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