私は順番にLINEを見る
─萌奈とのLINE
────────
私は「ごめん今は1人にさせて」と返した
すぐに既読がついて
「わかった。落ち着いたら帰ってきてね」
と返信が来た
─マネージャーとのLINE
「はい。」
と返す
─愛蔵とのLINE
「うんありがとう」
と返す
─ひよりとのLINE
「大丈夫だよ。
うんそうだよね」
と返した
彼が優しいことはすごく知ってる
いつも何かと世話を焼いてくれたり
そういうところが好きだから
─勇次郎とのLINE
────────
まだ戻る気はなかった
でも
私は急いで家に戻った
勇次郎くんがまだ私の家にいるかは分からない
それでもいてくれると信じて
─勇次郎side─
僕はまだ七瀬の家の前にいた
七瀬が戻ってきてくれると信じて
あの時
あそこまで言うつもりはなかった
でも、もう同じ過ちを繰り返して欲しくなかった
七瀬のためにも
今回は七瀬のマネージャーさんが何とかしてくれたから助かった
でもそうでなければ確実にネットで叩かれる
悪い噂はすぐに広まってしまうから
そんなことで七瀬に悲しい思いをしてほしくない
その声に反射的に振り返る
僕が「ごめん」と言うより先に七瀬が僕に謝った
︎︎ ︎︎
……………
なんだか沈黙が可笑しくて私たちは2人して笑いだした
-------------キリトリセン--------------
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。