前の話
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俺は、高校生になったらモテるはずだった…
中学の頃、今より背も小さく
「カッコイイ!」「キャ~ !」などは言われたことがなく「男のくせに可愛い」など、バカにされることが多かった
それなのに、、
「だから、彼女なんていねぇってば。しつけぇよ」
イケメンで背が高く、ほどよく筋肉もついている
奴が寄りによって俺と同じクラスになってしまった。
そんな奴より目立つはずもなく
只、そいつを羨ましく見ることしか出来なかった
「なぁ、お前…綺麗な顔立ちしてんな」
突然話しかけてきたと思い
ふと顔を上げると、目の前にはイケメンがいた。
「俺はアンタの顔に産まれたかったよ」
綺麗な顔立ちと言っておいて、内心
"男で女の子っぽい顔とかやば"
って思ってんだろ。中学の奴らみたいに。と
中学の時を思い出してしまい、だんだんと
イラついてきた
「は?何言ってんの、俺はお前の顔嫌いじゃないよ。」
バカにする気配もなく、嘘ついてるようには見えなかった。
きっと、本音を言ってくれたんだと少し、
嬉しかった
顔もイケメンな上に性格もイケメンじゃ、
モテるはずだ
その日から俺は、コイツに少しずつ恋をしていくことになる
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!