前の話
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目の前にいる紗来君が、ノートの上に走らせていたペンを止める。
そう言って紗来君はドアの前に行き、鍵がかかっているのかを確認していた。
紗来君はいつもこうして私を笑わせてくれる、
けどいつも意地悪で、私のことをしょっちゅういじめてくる。
でも、思いやりがあって優しい紗来君はいつもモテモテで、私が入る隙間もないくらいだった。
でも私は紗来君がずっと前から好きだった。
紗来君がいきなり私の持っていたブランケットを取り上げた。
頭からいきなり何かをかけられたと思い、目を開けると、目の前に紗来君がいた。
言われた通りにじっとしていると、
紗来君がいきなり抱きしめて来た。
私の腕の中にうずくまっている紗来君が話し出した。
顔をうずくめているから表情は分からない。
でも微かに見える紗来君の耳は赤かった
その一言で、体が熱くなった。
ずっと前から好きだった人に告白されて、
とっても嬉しい
次の日、朝になると先生方が図書館に私たちを助けに来てくれた。 昨日何が合ったのかは2人だけの秘密。
だから、誰にも言わない。
何度か連絡をやり取りしていくうちに、デートのお誘いも来るようになった。
私は今、とっても幸せです!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!