『ゆ〜んぎッ!いつもイヤホンしてるけどいつも何聞いてんの?』
そう言って無邪気に弾みながら来るあなた。
そして、いつものように俺の隣へと座ってくる。
🐭「別に……」
『えー、なんかゆんぎが好きそうな曲ってピンと来ないんだけど笑笑』
🐭「だってお前に聞かせてもわかんねぇだろ?」
『ん〜、……でも!聞きたいの!』
そう言って、俺の片耳からイヤホンをとり自分でイヤホンを耳に差し込んできき入るあなた
『……………』
『ゆんぎ………』
ああ、ほらやっぱりわかんねぇじゃん。
だって、俺がよく聞くヤツって大体ラップだし、きっと何言ってるかわかんないだろう。
🐭「な?ほら…やっぱり分からないだろ」
俺がそう言ってあなたに背を向けると
『ゆんぎ!この曲なんて名前?私、この人の歌……』
『なんだか好き……』
俺はその言葉が寝るまで忘れなられなかった。
だって、あなたの口から出た”好き”は
なんだか新鮮な感じがして___
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。