
時雨
提督…

司令
どうしたの?

時雨
病室から紫雨が居なくなってたよ

司令
多分…屋上に行ったんじゃないかな?

時雨
じゃあ…様子見に行ってこようか?

司令
あぁ…お願い
数分後

時雨
紫雨…いるかい?

紫雨
………。

時雨
紫雨!?

紫雨
………。

時雨
大丈夫かな…

紫雨
ん……

時雨
目……覚めた?

紫雨
うん……後頭部が柔らかい…

時雨
膝枕してるんだ…ダメだったかな?

紫雨
いや…ありがとう…

時雨
それで…目は大丈夫なのかい?

紫雨
今は分からない…明石さんが目を作ってくれるけど…確か…見えないって言ってたね

時雨
そうなのか…

時雨
僕が…ちゃんとしていれば…

紫雨
大丈夫…時雨さんは悪くないよ…

紫雨
もちろん…提督も悪くない…

時雨
そっか…ありがとう

紫雨
ねぇ…時雨さんのこと…これから時雨姉さんって呼んでもいいかな…

時雨
え…

紫雨
ダメだったら…いいんだ…

時雨
い…いいけど…急にどうしたの?

紫雨
なんか…時雨姉さんが…僕の姉さんに似てたから…

時雨
そうだったのか…

紫雨
ごめんね…

時雨
大丈夫だよ…僕は紫雨にどんな呼び方されても…嬉しいよ

紫雨
ありがとう…

紫雨
紫雨姉さん…

時雨
どうしたの?

紫雨
今日は本当にありがとね

時雨
このぐらいお易い御用だよ
数日後

明石
紫雨さーん

紫雨
はい…どうしましたか?

明石
目が完成しましたよ

紫雨
ありがとう

明石
前も言った通り…つけたとしても…見えるわけじゃないから…

紫雨
大丈夫…

紫雨
それは…承知してるよ

明石
じゃあ…今からつけるから…そこのベッドに横になってもらっていいかな

紫雨
わかった

明石
麻酔はちゃんとするから大丈夫だよ

紫雨
…よかった…

明石
それじゃあ…おやすみなさい

紫雨
おやすみ
数時間後

紫雨
ん…

明石
おはようございます

紫雨
おはよう…

明石
気分はどうですか?

紫雨
すこし…悪いかな…

明石
そうですよね…麻酔は副作用で気分が悪くなりますよね

明石
はい…鏡です

紫雨
すごい…ちゃんと入ってる…

明石
成功しましたよ

紫雨
ありがとう

明石
私にできることならなんでも協力します

紫雨
ありがとう…それじゃあこれで

明石
気を付けてね

紫雨
目があるから…包帯付けなくても良くなったな…

紫雨
明石さんに…今度お礼したいな…
続く
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