1ヶ月も経とうとした頃、今度は蓮と一緒になった。
○○「あ、目黒さん、おはようございます」
蓮「おはよう○○さん。どう?
もうすぐ1ヶ月くらい経つけど、慣れた?」
○○「そうですね。細かいとことか、
ちょっと不安なとこもあるんですけど、
大体慣れました」
蓮「○○さん、可愛いからお客さんに
絡まれたりしない?笑」
○○「無い無い!無いですよ笑
第一、私、別に可愛くないですって」
蓮「そんな事ないよ?ここのお店の看板娘じゃない?」
○○「目黒さん、女の子のせるの上手いですね笑」
蓮「○○さんだけだよ」
○○「えー?ほんとですかー?笑」
蓮「ほんとほんと笑……でさ、これで1ヶ月になるじゃん?
そしたら俺、元の店に戻るんだよね。
ここの店、研修生教えるための限定期間だからさ」
○○「あ……そうでしたね。寂しくなりますね」
蓮「ホントにそう思ってる?」
○○「そりゃ、1から教えてもらいましたから。
感謝してますよ」
蓮「僕がここから移動しても、連絡してもいいかな?」
○○「もちろん、全然大丈夫ですよ」
蓮「良かった!じゃ、今度休みが合ったら
映画にでも行かない?」
○○「良いですね。最近面白い映画ありますかね」
蓮「また調べて連絡する」
○○「はい」
すると、翔太がやって来た。
翔太「お疲れ様です」
蓮・○○「お疲れ様です」
翔太「○○、そろそろ休憩時間だろ?
ゆっくり休んでこい」
○○「あ、ありがとうございます」
休憩室で、お茶を飲みながら、ふぅーっと一息つく。
温かいお茶で、お腹が温まったら、
ついつい事務のデスクに突っ伏して
ウトウトと眠ってしまった。
翔太「なぁ、蓮?俺がお前と元々知り合いってこと、
○○に知られてないよな?」
蓮「大丈夫じゃない?」
翔太「蓮さ……もしかして○○に惚れてる?」
蓮「だったら何?」
翔太「いや、別に…仲良さそうに話してたから」
蓮「翔太は?元カノ?まだ引きずってんの?」
翔太「……正直分かんない」
蓮「もしかしてさ、翔太、○○さんのこと
気になってるんじゃない?」
翔太「え?何で……無いでしょ、普通に」
蓮「ふーん。じゃ、俺は構わず○○さんに
アピールするわ。応援してくれるよね」
翔太「べ、別に良いんじゃん?蓮も休憩行っていいよ」
蓮「サンキュー」
蓮が休憩室へ行くと、デスクで眠っている
○○を見つけた。
蓮は、クスクスっと笑って近くにあった毛布をかけた。
休憩時間の少しの間、この子の寝顔を見てるのも
癒される……。
休憩時間が終わる頃、蓮がトントンと○○の肩を叩く。
相当眠りが深いのかすぐには起きない。
少し、頭を撫でる。
そしてまた、トントンっとして起こす。
蓮「○○さん?休憩終わりだよ」
○○「わっ!!やばい!!寝坊した!!」
蓮はクスクス笑いながら、
蓮「してないしてない笑
休憩終わりだから起こした笑」
○○「へ?!あ、そっか……焦った……
あれ、毛布…これ目黒さんが?」
蓮「気持ち良さそうに寝てたから。後半、頑張ってね」
○○「ありがとうございます」
○○は、仕事に戻る。
○○「店長、休憩ありがとうございました」
翔太「もしかして、寝てた?」
○○「え、バレました?」
翔太「ヨダレの垂れた跡がある」
○○「え!!やだ!最悪!!」
翔太「ぷっ笑 嘘だよ笑
でも、ほっぺに服のシワの跡付いてるのはホント」
○○「えーーーどっちも嫌なんですけどー」
翔太「この1ヶ月、けっこうシフトも
ハードだったもんなぁ。
今日、店落ち着いてたら早めに上がっていいよ」
○○「あ、ありがとうございます…」
店長、最初はつんつんしてて怖かったけど、
意外と優しいんだ…しかも天然なとこもあるし、
ちょっと可愛いかも。
○○「あ、店長も休憩行って下さいよ、
今まだ配送くる前なんで、今のうちですよ」
翔太「サンキュー。んじゃ、ちょっとだけ行ってくるわ」
そんな日々を過ごしていたある日。
○○「おはよーございます……」
蓮・翔太「おはよう」
蓮「○○さん、どうしたの?元気無いね」
○○「何か、ちょっと身体だるくて。
でも、全然、大丈夫なんで」
蓮「でも、顔もぽーっとしてるし……
もしかして熱あるんじゃない?」
そういうと、蓮は○○のおでこに手を当てる。
○○はドキドキした。
蓮「ほら、これ絶対熱あるじゃん。
ダメだよ、無理して来たら」
翔太「少し待ってて。他のスタッフ、
出られるか確認して来る」
翔太が何人かに連絡をして、スタッフを確保した。
翔太「○○、他のスタッフ手配したから、
○○は今日は帰ってゆっくり休め」
○○「何か…逆に迷惑かけてごめんなさい…」
熱のせいか、少し顔が赤く、目が潤んだ○○に見られて、
翔太はドキッとした。
翔太「迷惑とか思ってないから。
むしろ、体調悪いのに頑張って来てくれたことは
嬉しいよ。でも、自分の身体、大事にしな」
○○「はい……ありがとうございま……」
言いかけたところで、倒れ込んでしまった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!