佐藤の周りを待っていた砂がスっと雪のように落ちた。
はい、おしまい。
おお!ありがとうな。
渡された剣を見ると傷がなくなり、新品のようになっていた。
すごいな…新品みたいだ…
そりゃそうよ。私だから簡単に出来るの!!
佐藤は嬉しそうに鼻を高くしている。
まぁ、佐藤のスキルのおかげで少しの対価でもできるんだよな。
私のスキル「創意工夫」は、家系スキルなの。そのおかげで誰よりも材料は少なくて済むし研究は楽よ。
へぇ…すげ〜
俺は持った木刀を一振する。目の前に浮かんでいた葉を真っ二つにした。空気が切れるような感覚があり、そこから風が起こる。
うん、切れ味も良さそうだな。
練習用で切れ味良かったらどうすんだよ。
あぁ、私のようなか弱い乙女が被害に遭うかもしれないわぁ…怖い怖い。
佐藤の少しにやけた顔に少しウザさを感じた。
こんなに切れ味良くなったのはお前のおかげだけどな。
え?元々良かったでしょ。
もっと良くなったんだよ。
俺は刃先に触れる。以前は指が切れなかったのに今はすんなりと切れ、血が出るほど切れ味が良くなっている。
ほらな。
な、な、何してんのよ!!私、怪我直せないわよ!
俺も時魔法が主だが、人に使うのはとても危険だからな…今崎は今寝てるし…
これくらいどぉってことないってw
そんなことを話しているとすごい勢いでこちらに向かう足音が聞こえた。
だ、誰だよこんな時間に…
侵入者では無いはず…
やっちゃう?
全員が戦闘態勢に入ったがその必要はなかった。
うおおおおおお!!!
すごい勢いで走ってくる今崎だった。
あいつ寝てなかったか…?
まさか、寝ながら走ってる?
寝ながら走りながら叫ぶってなんだよw
目の前まで今崎が来て直ぐに俺の指を手に取る
大丈夫か!佐々木!!敵?敵か?くそっ!お前に傷をつけるとは!そんなに強いのか!!
お、落ち着け…自分でやったんだよ。
嘘だ!!!
ホントだよ。
和田が今崎の頭を軽くチョップする。「いたっ、」と今崎が頭を抱える。
なんでお前そんなに力強いんだよ!!魔術師だろうがよ!!普通力弱くないか!?
俺は強いんだよ。
と、とりあえず「治癒」。
緑の光とともに俺の指の傷が消えた。
おお、ありがとうな!
おう!
てか、なんであんた起きてきてんの?いつも何しても起きないのに。
血の匂いだよ。こいつの血の匂いを嗅ぎつけたからな。
それまじ?
まじ。
今崎はグッとポーズをする。
これもこいつのスキルなんだよな〜。なんだっけ?半径1キロ以内のちの匂いがわかんだっけ?
10キロな!!
すごいわね…和田はどんなスキル持ってるの?
お前ら、声抑えた方が良さそうだぞ。
和田が向く先にはベランダに出た女王がいた。こちらをしばらく見ると中に入っていった。
う、うるさかった…?
私たちはまだ静かなほうよ。今崎、あなたがうるさかったのよ。
そんなことねぇよ!
うるさい!
今崎がしゅんとなる。
これ、私たち怒られるわね…
ああ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(って、)
(なんで俺だけ呼ばれんだよ〜!!!)
次の日女王様から「個人的にお話がある」と俺だけが呼ばれた…
(なんでだよ〜!!!)
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