第20話

ファンタジー編2
51
2022/12/04 13:37
佐々木賢人
あいつらから言われたことがグルグルと頭を巡る。それをかき消すかのように俺はひたすら剣を振るう。
周りはもう暗くなっており、和田と今崎は寝ている。王国は眠りにつき、ただ星々が照らしている。俺は和田と今崎を起こさないようにこっそりと練習用の木刀をもって寮を抜け出してきた。
少し走ると中央広場に着く。ここは広いし素振りには十分だった。
俺は中央広場で思いっきり剣を振るう。
佐々木賢人
(仲良くなれば王族専属騎士か…)
下唇を血が出ない程度に力強く噛む。
佐々木賢人
(俺は、実力で認められたい。)
何回か王女は俺たちの練習を見に来たことがあるが、直ぐに無言で立ち去ってしまう。
佐々木賢人
(あいつと仲良くなって認められるなんてごめんだ。あいつを実力で振り向かせる。)
少し力強く振るうと剣が手から離れ、飛んでいってしまった。
佐々木賢人
(やべ、)
するとどこかに刺さった音が聞こえると同時に「きゃぁ!!?」という女性の声が聞こえた。
俺は直ぐに駆け出した。音のした方向に向かう。
佐々木賢人
すみません!!大丈夫ですか?!!
佐藤 光
これが大丈夫に見えるか
バカァ!!!!
そこには腰が抜けて立てないであろう魔女の格好をした女性が倒れ込んでいた。俺とこいつは幼なじみでもちろん仲がいい。
佐々木賢人
なんだお前かぁ、お前なら心配して速く駆けつけなくて良かったなー。
そう言うと彼女の目の前の壁に刺さった剣を抜く。
佐藤 光
あんた謝んなさいよ!!
プンプン怒ってる顔をつまんでみる。
佐藤 光
やへははいほやめなさいよ
すぐに手を離し顔の横に移動させる
佐々木賢人
ごめんてw
佐藤 光
ホントよ。
和田 霧人
なーにイチャついてんだよ。
声が聞こえた上をむくと夜空の星々に紛れ、空に浮く和田がいた。
佐々木賢人
なんでいんだよ。お前寝てただろ?
和田 霧人
そりゃ、女の子の悲鳴が聞こえたから気になってくるに決まってるだろ。
佐藤 光
いい?佐々木。普通はこうよ。
佐藤が和田のことを指さす。
和田は少し照れてるように見えたが夜の暗闇に紛れていたので勘違いかもしれない。
佐藤 光
にしても、よくそんな木刀でこの壁にさせたわね。
佐々木賢人
いや、普通だろ。
俺は手にした木刀を隅々まで見る。少しだけ傷が見える。
佐々木賢人
あー、少し傷ついちまった。
佐藤 光
あー、まじ?
佐々木賢人
和田、直せる?
和田 霧人
言っておくがそれは俺の専門外だ。
佐々木賢人
そうだったな。お前時の魔法は扱えないもんな。
佐藤 光
ここに出来るやついるじゃないの。
佐藤は「エッヘン!」と言わんばかりに胸を張っている。
佐々木賢人
そうだったな。お前、錬金術師だもんな。
佐藤 光
そうよ。
佐々木賢人
でも、なんも素材ないぜ?
錬金術はものとものとを合成させて作成するものだから、素材がないと成り立たない。
佐藤 光
あるじゃない。
佐々木賢人
え?
佐藤 光
ほら、
そういい、彼女は地面に落ちた木の枝を持った。
佐藤 光
貸して、木刀。
佐々木賢人
いやいや、お前そんなんで…
佐藤 光
できるわよ。この程度の傷でしょ?いけるいける。
和田 霧人
さすがだな。俺も錬金術出来ればな…
佐藤 光
あなたは充分すごいよ。
和田 霧人
あ、いや…ありがとう…
また和田が照れた。次は気のせいじゃないな。うん。
佐藤 光
さーて!やってみよう!!!!
佐藤はとんとんと呪文を唱える。地面の土が舞い、魔法陣が生成される。舞った土は7色に変わり、佐藤の周りを包み込む。
その光景はまるで銀河を司る女神のようだった
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カササギ
チーっス!お馴染みの作者でーす!前回好評だったのでぼちぼち続き書いていきます!是非続きも見てね。お楽しみに!!

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