積もった塵は形を変えようと触れると塵は崩れ落ちる
なのに私は何故……
”変わろうとしたのだ?”
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家のドアを開け、指先から寒色に染まった。
声すら震えていたのかもしれない。
ガチャ
サッ
カバンから高速に小テストを取りだし、土下座しながら渡した。
ペラ
溢れる涙はこの部屋の寒色をぼやかしより深く染み渡った。
怒らないの?!
バッ
この時何かが、体の中の何かが爆発して黄色に染まっていった。
バン!
吐き出しきった黄色は床の寒色と混ざっていた。
この時はっとした。
飛び散った黄色は父と母の服を汚していた。
自分の中の塵が崩れる音がした。
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それからは普通に過ごした。
祭りのことを言おうとしたが周りを呆れさせてしまうと思うと言えなかった。
だって、浴衣を借りたのに…
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俺は自分の部屋に座っていた。
ふと目の前の鏡を見ると自分の仮面が、右目の部分だけ残っていた。
何故か怖くなって、この部屋がもっと狭く感じた。
ちっさくなった時計を見ると9時だった。
布団にこもるとふっと意識が夢に落ちた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。