第14話

14 最終話
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2019/04/12 23:19
あなた
あなた
な、何?
テヒョン
テヒョン
俺が記憶をなくしたのはどうして?
誰も話してくんないから笑笑
テヒョンはジッと私を見る。
テヒョン
テヒョン
隠し事はしないでほしい
あなた
あなた
わかった
私は意を決して全てを話した。
このことに対しての後悔で逃げたくなる。
必死に我慢する。
テヒョン
テヒョン
そう、なんだ
あなた
あなた
ごめんなさい!
涙が止まらない。
無理だ。こんな顔見られたくない。
私は顔を伏せる。
あなた
あなた
先に帰ってて。お願い
私はテヒョンを置いて走った。
テヒョン
テヒョン
おい!………
後ろから追ってくる足音。
あなた
あなた
やだ!追いかけてこないでっ!
テヒョン
テヒョン
待てってば!!
テヒョンは私のうでをつかみ、壁に押さえつける。
逃げようともがくが、びくともしない。
テヒョン
テヒョン
なんで逃げるんだよ?!
そんなに俺のこと嫌いか?
あなた
あなた
ちがうのっ!
テヒョン
テヒョン
じゃなんで………
あなた
あなた
……嫌われるのが怖かった
テヒョン
テヒョン
え?
あなた
あなた
テヒョンが大好きだから
いなくなってほしくなかった。
理由を知ったら離れていかれると思ったから…
テヒョンは頭をかきむしる。
テヒョン
テヒョン
俺は………!
あなたと軽い気持ちで付き合ってる
わけじゃない!
ホントに好きなんだよ。
俺が記憶あったときの彼女だからとか
そんなの関係ないから!
私は逃げようとするのをやめた。
テヒョンは嘘でこんなこと言わない。
ホントに私を好きでいてくれた。
なぐさめなんてものじゃなかった。
記憶を失ったテヒョンが一番辛いことを
私は気づいてあげられなかった。
テヒョン
テヒョン
俺はこんなやつだけどあなたを
愛する気持ちは人一倍あると思う。
だから、俺と向き合ってほしい。
もう私が逃げないとわかったのか、
テヒョンは手を離そうとした。
私はその手を引き寄せて、テヒョンを抱きしめる。
あなた
あなた
…テヒョンは今も昔も全く
変わってない。
信じなくてごめんね?
大好き。大好きだよぉ…
テヒョンはにっこり笑顔だ。
テヒョン
テヒョン
俺、あなたがいない世界じゃないと
生きらんないかも笑笑
あなた
あなた
私のいる世界……
いつか同じようなこと、言ったような……
テヒョンは私に向かって手を伸ばしている。
テヒョン
テヒョン
ジュース、買いにいくか?
もう絶対失わない。
あなたを失うわけにはいかないんだ。
もう離さないように、離れないように、
私はその手を強く握った。


                 
                    end

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