第5話

5
288
2019/04/10 15:03
ベッドの横には精密機械。
テヒョンは酸素マスクをつけ、頭には包帯が
巻かれていた。
あなた
あなた
テ…ヒョン?…ねぇ
私はテヒョンの体を揺する。
閉じていた目が開く。
あなた
あなた
テヒョン!大丈夫?テヒョ……え?
テヒョン
テヒョン
………
反応しない。
同じところを見たまま、こちらを見ようともしない。
ジョングクが入ってきた。
あなた
あなた
ジョングガ!テヒョナが、おかしいの!
ジョングクは顔を伏せる。
ジョングク
ジョングク
あなた、テヒョニヒョンは
……俺らのこと、覚えてないって。
ジョングク
ジョングク
記憶を…失ったんだ
あなた
あなた
や…っ、違う!
テヒョナ?わかるでしょ?あなただよ?
ジョングクはそれを手で制した。
ジョングク
ジョングク
今は安静にしておこう
テヒョンのうつろな瞳が閉じられる。
寂しい。
ジョングク
ジョングク
そっとしておこう。今はダメだ。
テヒョナ……っ!
こうなったのは私のせいだ。
そう思うとこの部屋にいるのはきつかった。
あなた
あなた
外に、いるから
ジョングク
ジョングク
一緒に行こうか
あなた
あなた
ごめん。一人にしてほしいの
私は病室を出た。

プリ小説オーディオドラマ