「あの、また独り言…?」
?「ん?ああ!すみません、口が緩くて…へへ」
口が軽いでは…?
「そういえば、分身なんて言ってましたけど、じゃあ…?」
?「おや、察しが早いですね。そうです。あなたの名前と一緒。」
じゃあ……?
「高森…?」
水「水路…です」
嘘……
「本当…?」
水「ええ、本当です。」
「じゃあ、来週の日曜日に校内マラソンがあるんだけど、出てくれる…?」
水「はい、受けましょう。」
水「艱難辛苦全ての代行者、それが私です。」
なんか難しい事だな…けど、
「課題も?」
水「はい。」
「宿題…も?」
水「はい。」
「……。」
水「…話しても?」
「あっ、はい!」
水「ええと、なんでも受けると言いましたが、タダではございません。それ相応の対価を貰います。」
「ですよね、タダじゃあ不公平ですもんね」
水「はい。では、例としてさっきまでの依頼を使いますね。
マラソンの場合はまあまあ嬉しいもの、宿題は些細な喜び、課題はプリンです。」
あれ?
「プリン……?」
水「大好きなので。」
「そこは違うんだ…」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。