第27話
27
部屋を出て廊下に出る
廊下の壁に貼ってある紙
リビング→
キッチン、食卓→
←トイレ
←風呂場
ご丁寧にどうも。
きっとこの字はジェヒョクではない
雑な字を見つめ、ご飯のありそうなキッチンへと向かった
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こちらキッチン!と書かれたドアを開けた途端に絶句する
いかにも掃除がしてなさそうな汚い部屋
いやまぁ、綺麗にしようとした痕跡や、所々綺麗な所はあるけれど…
掃除、するしかない
お腹はとてつもなくぺこぺこだけど、こんな汚い部屋の中で食べたらご飯が不味くなるからね
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一人で呟く
いや、うん、本当に天才かもしれない
だってほら、床がキラキラしてる
水拭きまでした甲斐があった
当初の目的を思い出す私。
でも…
風呂場…どこ?
汗でベタベタ…
風呂場、使っていいんだよね?
というより、私はあの日からずっとお風呂入ってないんだよね?
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嗅がなきゃ良かった
女性としてあるまじき匂いがする
私は黙って、風呂場に向かうのであった