第4話

daiyari-2
31
2019/09/10 09:02
私には
友達と呼べる人は1人もいない​───────


かつてはいた、


いや、友達だと思っていたのは私だけで
本当は最初から


私に友達なんていなかったのかもしれない



簡単に"友達"っていう人は嫌い

"親友"なんてもってのほか

ずっと一緒、ずっと友達、そんな言葉
信じられない



それなのにアイツは​───────


青木圭介は簡単に"友達"って

よりによって私に、私なんかに
"友達になろう"だなんて
一体彼は何を考えているんだろう?


私には全然理解が出来ない…



授業中、いつもは授業の事だけを考えて
他の事なんて考えもしなかった私が

青木圭介のせいで

心の中がモヤモヤする​───────

何なんだろう?この感情は

落ち着かない

イライラする

何でこんなにも不安なんだろう?

私の事なんてほっておいて欲しい

1人でいたい1人が楽

誰も私の中に入って来ないで



でも、だけど、もしかしたら​───────






圭介
圭介
先輩っ!


頭上から急に声がして
ハッと我に返る


顔を上げると
そこにいたのは青木圭介



みのり
みのり
…どうして君がココにいるの?



ここは3年1組

私のクラス

3年の教室になぜ1年の青木圭介が?


圭介
圭介
何でって…ここ先輩のクラスでしょ?笑
みのり
みのり
…そうだけど。
圭介
圭介
先輩に会いに来たんだよ
みのり
みのり
何で?なんか用?



明らかに迷惑そうにしている私に

彼は気が付かないのだろうか?



圭介
圭介
お昼、一緒に食べようよ
みのり
みのり
は?
圭介
圭介
だーかーら!お昼ご飯!一緒に食べよ♪
みのり
みのり
何で君と?
圭介
圭介
友達でしょ?
みのり
みのり
…いや、
圭介
圭介
と、も、だ、ち、でしょ?



あぁもう
面倒くさい…



みのり
みのり
………
圭介
圭介
あ、また無視した
みのり
みのり
他の"友達"と食べれば?
圭介
圭介
えー…先輩とが良い
みのり
みのり
私は1人が好きなの。1人で食べたいの。だからほっといて。話しかけないで。
圭介
圭介
………



あ、ちょっと言い過ぎたかな?



一瞬、顔色を曇らせた青木圭介に
胸の奥がチクリと痛む



圭介
圭介
…分かった



彼は無表情でそう言うと
静かに教室を出て行ってしまった




傷付けちゃったかな?

言い過ぎた?

いや、でも私
本当に1人が良いし1人でいたいし

一緒にお昼ご飯だなんて
そんなの無理

何話していいかも分かんないし

話す事なんて何も無いし…

プリ小説オーディオドラマ