第2話

壊された日常
20
2019/09/10 04:23
私の平凡で平穏な日常は
謎の少年、青木圭介が現れた事によって
もろくも崩れ去ってしまった​───────



圭介
圭介
せーんパイっ!
みのり
みのり
………
圭介
圭介
ねぇ、ねぇ先輩
圭介
圭介
おーい
圭介
圭介
聞いてますかぁー?
圭介
圭介
ねぇ
圭介
圭介
ねぇってば先輩、
みのり
みのり
………
圭介
圭介
先輩こっち向いてよぉー
圭介
圭介
ねぇー
みのり
みのり
…………



​───────うるさい、
さっさと消えて。




ジロリと睨めば
ニヤリと笑い返してくる
圭介
圭介
このまま無視し続けるんだったら​───
みのり
みのり
…っ!



か、顔が近いよ青木圭介っ!




圭介
圭介
このままキス、しちゃうぞっ♡
みのり
みのり
…っ、な、何言ってるの?冗談やめてよっ
圭介
圭介
冗談じゃないよ?本気だよ?
みのり
みのり
なっ…ちょ、離れて!
圭介
圭介
やーだよ♪
みのり
みのり
あっ…ちょ、本当にやめてったらッ!!



グイグイ顔を近づけてくる青木圭介を
何とか押し退けようとする私


けれど彼、顔には似合わず
なかなか力が強い


私の抵抗も虚しく
あっさり手首を捕まれちゃって


後ろの壁に押し付けられてしまった
圭介
圭介
​───────やめて欲しい?
みのり
みのり
…っ、離してっ…



ジッと間近で顔を見つめられると
身体中の血が一瞬にして
頭に登って来たみたいにクラクラした


彼の顔なんて見てられなくて
プイッと横を向いてギュッとキツく目を閉じる


私の心臓は今にも皮ふを突き破って
そのまま出て来そうなくらい
バクバクと騒いでいる



圭介
圭介
…ふふ、



耳のすぐ近くで彼の笑う声がした



圭介
圭介
ごめん、怖かった?



私の手首をそっと離すと
少し離れて座り直した青木圭介



圭介
圭介
僕はただ、みのり先輩の事が知りたいだけだよ



うっすら目を開けて彼の方を
恐る恐る見てみると


笑っているような
泣いているような
よく分からない表情をした青木圭介がいた



みのり
みのり
……どうして?な、なんで知りたいの?って言うか私の事を知ってどうするの?知ったところで何も楽しくなんかないわよ?私なんかと​───────



関わらない方がいい​───────

そう言おうとした私の声を遮るように

青木圭介が口を開いた




圭介
圭介
友達になってよ先輩、
みのり
みのり
…は?



にっこり微笑む青木圭介



圭介
圭介
いいでしょ?
みのり
みのり
え、ちょ、何で?
圭介
圭介
ダメ?
みのり
みのり
いや、ダメっていうか…
圭介
圭介
いいじゃん♪ね、決まり!今日から僕達友達ねっ♪
みのり
みのり
………

プリ小説オーディオドラマ