屋上
トミーside
俺は、入学式以前にあなたにあったことがある。
あれは、俺が、中学3年の冬
1番イキってて、髪型が噴水みたいだった頃。
なんでか、急にハブられた。
学校でも、家でも1人。
表では、全然大丈夫ってかましてたけど、心の中はズタボロだった。。
だからといって、真面目そうな奴に自分から話しかけに行くのも、ダセェと思ってた。
ある時、公園へ行った。
1人で座ってボケーっとしてると、
あなたは何も言わず、ただただ隣にいてくれた。
それだけで、俺の心の傷が癒された。
その日から、俺は毎日のようにその公園で行った。
最初は、心が癒される、安心出来る。
それだけだった。
けれど、会っているうちに
あなたに会いたい。話したい。笑顔がみたい。
恋心へと変わっていた。
けれど、突然公園に現れなくなった。何も告げずに。
あなたに何があったんだ。心配だった。
でも、俺には何も出来なかった。
あなたについて、何も知らなかったから。
いつも、話しているのは、俺ばかり。
あなたはいつも笑って、俺の話を聞いてくれてた。
けど、俺があなたについて知っているのは、名前だけ。
苗字すら知らなかった。
とうとう、受験の日が近づいてきた。
けれど、俺はあの日からそれどころではなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。