阿部side
2020.8.10
それから10日後。
あなたは、リハーサルを休んでまで何処かに行った。
あなたから電話がかかってきて…
あなたは、『いつかの為…いつか、皆が読む為に』と、ノートを欲しいと言った。
『いつか』って?
あなたの記憶が消えたとき?
それとも他のこと?
あなたが『好き』って、俺に言うと思ってなかった。
高校の時からずっと、『翔太』の事しか口にしなかったから。
リハーサルを終えて、ノートを買って、シェアハウスに帰ると…
\あなた!?/
地下室が騒がしかった。
それで見に行ったら…
酷く呼吸が乱れたあなたが居て、それを介抱してる照がいた。
そのあと…
あなたから聞かされた時、既に数ヶ月は経っていた。
進行速度は、人によるけど、『振付忘れる』のは、もうやばいかもしれない。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。