第36話

33話‹2人の言葉›
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2018/12/16 12:12
いらっしゃいませ〜〜メイド喫茶やってまーす!」


当日、ゴミ箱のコンテストで
実際にデザインが採用されたものの発表を終えたら、あとは委員会の仕事は後夜祭の後。


私はまりの作ったシフトの通り、
メイド服を着て、廊下で呼び込みをする。


やっぱり私には可愛すぎるその服は、
心をいつまでもそわそわさせる。



「あなた、待ちどれくらい?」


開始から2時間ほどですっかり満席になる程混んでいて、
私は呼び込みというより、
名前を書かせる整列係。


中から出てくる人はみんな笑顔で、
まりってやっぱりすごいなぁ
なんて、感心してる。



お昼休憩も随分押して、私がウエイターになるのも随分と押して、
でもその分長く廊下にいられたのだけど、
二宮先生が通りかかることはなく、
この姿で会うことはできなかった。


せっかく髪の毛も巻いて、可愛くしてもらって、
少しだけど簡単に落とせるようなメイクもして、
まりからもらった
色付きリップもちゃんとつけた。



ずっと喋っていたから、ほとんど取れてしまっていただろうけど、
髪も顔も朝が一番綺麗なのにな。



残念な気持ちを掻き消すように、
笑顔で接客する。



相葉「あなたちゃん!頑張ってるね〜〜」


「相葉先生!櫻井先生!」


バタバタしている間に
2人して来てくれていた。


櫻井「いや〜メイド喫茶って、一度行って見たかったんだよね〜〜まさか、ここであなたのメイド服姿が見れるなんて」



「やめてくださいよ!恥ずかしい〜〜」


なんて言いながらも、
似合ってるよ
と言ってくれる2人が来てくれたことは
とても嬉しい。


担任とはいえ文化祭では
基本的に関与してこないので、
櫻井先生もどんな風に完成しているのかは
今日初めて知ることになる。


櫻井「二宮先生も誘ったんだけどね、断られちゃってさ」


相葉「キャラじゃないとはいえ、絶対興味あるくせにね〜〜見回りがあるとか言っちゃって。」



櫻井先生には、きっとこの気持ちはバレていて、認めてはいないだけで、知られている。


相葉先生は気づいてるのかわからないけど、
何も知らなそうな屈託のない笑顔で、
来ればよかったのに〜と笑う。



来てくれればよかったのに、
と思いながらも、
来られたら恥ずかしくてきっと何も話せない。


二宮先生はきっと、
可愛い
なんて言って来れなくて、
からかわれるんだろうけど。




結局初日は、二宮先生の姿を見ることもなく、
終わってしまった。


明日は、見回りのタイミング、
私が廊下にいる時に来るかな………

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