第13話

夏のはじまり
1,725
2018/09/27 05:52

保健室の真ん中のテーブルで
化学の勉強をした。

いつもの2人の空間ではなくて、
端の事務机では
松本先生が仕事をしている。


誰かいると思うと、
どんな風に話していいのか不安になり、
今までどんな風に話していたのかさえも
わからなくなり

時間が経つのがとても遅い。





下校のチャイムの少し前に
キリがよくなって、
今日はここまでにしようか、

なんて雰囲気になった時、
松本潤
1つ聞きたいんだけどさ、この前の化学準備室のあれはなに?

と松本先生が
真ん中のテーブルに寄ってきた
二宮和也
この前のってなによ
二宮先生はとぼけたような返事を返すけど、
松本先生は笑いながら
松本潤
なにがあったら女子生徒の腰に手が行くのかな〜〜と思って
と意地悪な笑み
自分
私が!スカートを折ってたから…注意されたんです

少し大きな声になってしまって、
2人が黙り込む。


ふはっと二宮先生は笑って
二宮和也
なに、必死になってんの
と余裕を見せる。


あぁきっと、二宮先生には
こんなことどうってことないんだろうな…



私は子供だから、
こんなことでいちいち一喜一憂して、
ドキドキさせられて、

もう二宮先生に
心ブンブン揺さぶられて苦しいよ。


私の学生生活が
どんどん二宮先生の色に


染められていく。



その日、夏休み中に行う
夏期講習の申し込み締切日で、
私は勇気を出して


化学の夏期講習に申し込んだ。



こうしたら、夏休み中にも

二宮先生に会えるんじゃないか

って思ったから。




テストが終われば
すぐにやって来る夏休み。


二宮先生を好きだと気づいて、
この気持ちを隠し続けて、


初めての長期休暇がやってくる。


こんなに夏休みを待ちわびなかったのは
初めてかもしれない。


でもきっと
夏休みも会える。

そう思って申し込んだ夏期講習。


夏休みも
会えますよね……?

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