第21話

20話‹告げられる終わり›
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2018/10/13 14:17


後半の夏期講習は、
なんの迷いもなく科学準備室に向かったのだけど、
鍵のかかっているその扉。


その前に立って、二宮先生が来るのを待つ。


お盆休みの間に田舎で焼けた腕を見て、
二宮先生の肌の白さを思い出す。



やっぱり女の子は白いほうがいいかな…

なんて落ち込みそうになる。




スッと携帯を取り出し、時間を確認する。


普段の学校では、携帯は禁止。

元々は持って来るのも禁止だったんだけど、
いつ自然災害が起こるかわからないから、
電源を切ってなら持って来てもいいという校則。


だけど私はいつもただのマナーモードで。


時計で日焼けしたくなくて、
夏の時計はもっぱら携帯。


10分すぎてる…
と思ったところに、コツコツという
革靴の音と、ザッザッという
足を引きずるような音が混ざるのは、

二宮先生の足音。



来た…!




右手に持った携帯を
カバンの中にしまおうと思ったけど、
焦ってその手を滑らせる。


カシャン……!

あっ!



その携帯に手を伸ばした時、
目の前で携帯を持ち上げる手が見えた。
二宮和也
まぁだ校則破りたいの、風紀委員さん
自分
っっ…!返して…ください…
スルスルと手の中で何度か回転させて、
白衣の胸ポケットにしまう
二宮和也
夏期講習だからって、校則は変わりませんよ
二宮先生はニヤリとして、
化学準備室の鍵を開け、私を中に入れた
二宮和也
エアコンつけて
二宮先生は私に指図する。
ピピッ、とエアコンを起動する音を鳴らす
自分
あの、ロックだけかけさせてください。携帯

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