第6話

子供の頃
44
2019/10/03 06:39
星神 花
星神 花
ふあ〜
ルチカ
ルチカ
ハカセ、お疲れ様です
メールさん
メールさん
ハカセ、キョウノ、シゴトハ
コレデ、オワリデス・・・
星神 花
星神 花
わかった、メールさんも、ゆっくり
休んでくれ
メールさん
メールさん
ワカリマシタ・・・
そう言うと、メールさんは、パソコン画面から
パチンと、消えた。
ルチカ
ルチカ
あれれ?パソコンから、消えちゃいましたよ
慌てる、ルチカを見て、ハカセが
答える。
星神 花
星神 花
パソコンの、電源を切って、
彼はデータのファイルにでも
はさまれながら、寝てるんだろ
ルチカ
ルチカ
そうなんですね
ルチカは、うなずき、安心したようだ。
星神 花
星神 花
悪いが、コーヒーを入れてもらえるかい?
ハカセに、言われて
ルチカ
ルチカ
もちろんです!
と、ルチカは、答えると、キッチンの
方に向かった。
星神 花
星神 花
ふわ〜〜疲れた
ドン、コーヒが、置かれた
星神 花
星神 花
はやっ!!
ルチカ
ルチカ
ハカセが、そろそろ仕事を
終えると思って、先に作ってたんです
ルチカが、にこりと微笑んだ。

ハカセは、ゴクリとコーヒーを飲み、
ルチカにお礼を言った。
星神 花
星神 花
だいぶ、コーヒーを作るの、
上手くなったね
ルチカ
ルチカ
そうですか?
ルチカは、椅子に座ると
ハカセに質問をした。
ルチカ
ルチカ
人間には、子供の時期というものが、
あるそうですね
星神 花
星神 花
・・・
星神 花
星神 花
メールさんに、聞いたの?
ルチカ
ルチカ
いや、本で読みました。
星神 花
星神 花
そう・・・
ルチカ
ルチカ
私は、子供の時のハカセの話が
聞きたいです
星神 花
星神 花
・・・
星神 花
星神 花
まあ、いっか、ルチカになら
ハカセは、もう一口、コーヒーを
飲むと、静かに語り出した。
星神 花
星神 花
僕は、時天才発明家の
息子として生まれて
星神 花
星神 花
子供の時から、勉強や実験しか
してこなかった。
星神 花
星神 花
友達なんか、できないし、僕には
この街を支える義務があったから
忙しい日々を送っていたよ。
ルチカ
ルチカ
ハカセは、昔から忙しかった
んですね
星神 花
星神 花
まあね
星神 花
星神 花
母は、僕を生んで、すぐに
亡くなったから、父さんに、育てられたんだ
星神 花
星神 花
父さんは、僕が20歳の時、実験の
失敗で、爆発して亡くなってしまったよ
ルチカ
ルチカ
そんな・・・
星神 花
星神 花
僕は、父さんを親として
見なかったし、父さんも僕を
愛しては、くれなかった。
ルチカ
ルチカ
そんなこと、ないですよ
ルチカ
ルチカ
子供は、親の宝だと、本で読みました
星神 花
星神 花
ルチカには、まだわからないかな
星神 花
星神 花
人間は、本に書いてあることだけでは、
理解できない難しい生き物なんだよ
ルチカ
ルチカ
星神 花
星神 花
だから、ルチカ、本よりも
自分で感じたことこそが、人間の
真実なんだ。
ルチカ
ルチカ
本よりも、感じたことの方が
大切ですか?
星神 花
星神 花
そうだよ、人の心は数式で
表せないし、人間の心は、科学じゃ
作れないぐらい複雑なんだ
ルチカ
ルチカ
ハカセは、私のことを愛していますか?
星神 花
星神 花
えっ・・・
ハカセは、じっと、ルチカを見る。
ルチカ
ルチカ
すみません!!私、口がすべっちゃって
あわてて、ごまかすルチカ
星神 花
星神 花
愛してるよ、ルチカのこと
ルチカ
ルチカ
えっ
星神 花
星神 花
君を、作る前、僕の心は、憎しみで
いっぱいだった。
星神 花
星神 花
好きでもない親のために、なんで僕が
この街を支えなくちゃ、いけないのか
星神 花
星神 花
一人じゃこなせないような、仕事を
平気で押し付けてくる街の人が
嫌いだった
星神 花
星神 花
でもね、君を作ると決めて、
僕はいろいろ考えたんだ。
星神 花
星神 花
僕に足りないなにかが、この
ロボットには必要だって
ルチカ
ルチカ
ハカセに、足りないもの?
星神 花
星神 花
それは、優しさなんだ。僕は、
君を作る時とても優しい気持ちになれた
星神 花
星神 花
僕の子供の頃の夢は、人型の
ロボットを作ること・・・それは
星神 花
星神 花
亡くなった母を、思って考えたこと
だけど
星神 花
星神 花
大人になって、完成したロボットを
見て、涙が出たんだ。
星神 花
星神 花
夢が叶う嬉しさと、僕はそんなに、
科学が嫌いじゃないってことに
気づいた瞬間だったんだ
ハカセは、ルチカの頭をなで
ギュッと優しく抱きしめてくれた
ルチカ
ルチカ
ハカセ、くるしいです・・・
星神 花
星神 花
科学もロボットも通り越して、
ルチカが好きだよ
星神 花
星神 花
親の愛は、知らないけど、僕の父も
機械(発明品)を自分の、子供のよう
だってよく言ってた
星神 花
星神 花
僕は、いつもそばにいて、元気を
くれるルチカが大好きです。
ルチカ
ルチカ
ルチカ
ルチカ
ハカセ・・・
星神 花
星神 花
だから、あせって、人間に
こだわらなくて、いいんだよ
ルチカ
ルチカ
・・・はい
ハカセは、ニコッと微笑むと
飲み終わった、コーヒーを片付けに
行った。
ルチカ
ルチカ
・・・・
ルチカの、心は、ドキドキと
音が、なってるような気がした。
ルチカ
ルチカ
私を、作ってよかったと、
ハカセは思ってくれてたんだ・・・
ルチカ
ルチカ
良かった、私、ロボットだけど
すごく愛されてるって感じた。
ルチカは、ギュウッと、拳を
握ると、パッとはなし
ルチカ
ルチカ
やったーーー!!
と、大きな声を出した。
ルチカは、思った。
ハカセに出会えて本当に良かったと

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