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第7話

ルチカの製造記念日 「最終話」
59
2019/09/22 06:30
ルチカが、ハカセに作られて、
まる1年がたった。

研究室では、ハカセが、いつものように
発明の仕事をしていた。
星神 花
星神 花
よし、これでいいか・・・
ハカセが、荷物を置くと、後ろから
トンと叩かれた。
星神 花
星神 花
おっ
ルチカ
ルチカ
ハカセ、天気もいいですし、お散歩
しませんか?
星神 花
星神 花
ハハハ、ルチカは、元気だね
星神 花
星神 花
それじゃあ、少し散歩するか
メールさん
メールさん
イッテラッシャイ、フタリトモ!
ルチカ
ルチカ
行ってきまーす
青空の中、ハカセとルチカが
散歩をしている。
ルチカ
ルチカ
ハカセ、今日、何日か
しってますか?
星神 花
星神 花
うーーーん?今日か・・・
考えるハカセだったが、今日の
日付が、出てこない
ルチカ
ルチカ
10月1日ですよ!
ルチカが、嬉しそうにそう、言った。
星神 花
星神 花
もう、そんなにたったか・・・
秋になるのは、はやいなあ
ハカセは、あくびをしながら
しゃべった。
ルチカ
ルチカ
あの、ハカセ・・・
今日、10月1日ですよ?
星神 花
星神 花
うん、わかったよ
ルチカ
ルチカ
・・・
ルチカ
ルチカ
ハカセ、10月1日!
星神 花
星神 花
どうしたんだ?ルチカ
ハカセは、不思議そうな顔をして
ルチカに質問をする。
ルチカ
ルチカ
ううう、うそですよね?
星神 花
星神 花
なにが?
ルチカ
ルチカ
ルチカ
ルチカ
ハカセなんか、大っ嫌い!!
ルチカは、目から涙をあふれさせながら
研究所に走っていった。
星神 花
星神 花
おい?どうした
のこされた、ハカセは、うーーんと
考えるが、何も思い出せない
ハカセは、研究所に戻ると、
ズーーーンと、落ち込んだ顔をしていた。
メールさん
メールさん
ドウシマシタ?アナタラシクモナイ
ハカセは、椅子にドスっと座ると
深いため息をついた。

そして、今起きたことを、メールさんに
話した。
メールさん
メールさん
ソレデ、ルチカサンニ、キラワレタト?
星神 花
星神 花
今日が、何の日か、全然わからないんだ
ハカセは、ガクッと落ち込むと、
机に顔をふせた。
メールさん
メールさん
カンガエラレルトスレバ、キョウハ
ルチカサンニトッテ、タイセツナヒトイウコトデス
星神 花
星神 花
ルチカにとって、大切な日?
メールさん
メールさん
オモイダスノデス!キョウガ、ナンノヒカ
星神 花
星神 花
今日は・・・10月・・・1日
星神 花
星神 花
10月?
星神 花
星神 花
10月、1日・・・
星神 花
星神 花
ガバッと、立ち上がると、ハカセは
ようやく思い出した。

今日が、何の日か・・・・
星神 花
星神 花
今日は、僕が初めてルチカを完成させた日だ
メールさん
メールさん
ソレデスネ!キット・・・
星神 花
星神 花
ルチカは、僕に、誕生日おめで
とうって、言ってほしかったのか?
メールさん
メールさん
タブン、ソウデスネ・・・100%
ルチカの、部屋にあわてて入る
ハカセ
星神 花
星神 花
ルチカ、今日は、君の・・・
誕生日だね?
ルチカ
ルチカ
ルチカ
ルチカ
ハカセ・・・気づくの・・・
遅すぎます!
ハカセに、ガバッとルチカが
抱きついた。
ルチカ
ルチカ
絶対、思い出してもらえないと
思ってました・・・ううう
星神 花
星神 花
ごめんごめん、そうか・・・今日は
その夜、ルチカの誕生日会を3人でした。
星神 花
星神 花
誕生日おめでとう、ルチカ
ルチカ
ルチカ
はいっ!
メールさん
メールさん
ルチカサン、コトシモ、ヨロシクオネガイシマスネ
ルチカ
ルチカ
よろしく!メールさん
ケーキをほうばりながら、みんなに
笑顔がこぼれた。
星神 花
星神 花
次は、ルチカの誕生日、わすれないから
ルチカ
ルチカ
私も、少し言いすぎました
ルチカ
ルチカ
ごめんなさい
メールさん
メールさん
マアマア、フタリトモ、ココハ
タノシミマショウ!
ハカセは思った。きっと、これからも
君の大切な記念日を、みんなで
お祝いして暮らすんだろうと。
星神 花
星神 花
ルチカ、欲しいものはある?
ルチカ
ルチカ
欲しいものですか?
ルチカは、考えると笑顔で
ルチカ
ルチカ
今日みたいに、たくさんの思い出が
欲しいです
ルチカ
ルチカ
私たち、3人の大切な思い出を、
これから、もっともーっと、作りましょうね
と、言った。
星神 花
星神 花
ルチカの、大切な誕生日の
欲しいものは、それでいいの?
ルチカ
ルチカ
いいんです!私、たくさんいろんな
思い出作って、ハカセや
メールさんと、楽しみたいんです
メールさん
メールさん
アリガトウゴザイマス!!
星神 花
星神 花
わかった、じゃあそうしよう
研究所の中で、ケーキを食べながら
幸せな時間をすごした3人。

ハカセは、未来で起こるだろう、新しい
思い出を想像しながら、クスクスと笑った。



おわり

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