第4話

家庭教師はハカセ
49
2019/09/22 06:29
ルチカ
ルチカ
ハカセ、今日は字を教えてくれるん
ですよね?
ルチカは、気の机に、紙とノートを
ひろげていた。
星神 花
星神 花
ああ、そうだった
星神 花
星神 花
そろそろ、本格的に教えて
おかなくちゃね
ハカセは、ルチカの前の椅子に
トスンと、座ると、なにやら文字を

書いてみせた。
ルチカ
ルチカ
これは、なんて読むんですか?
星神 花
星神 花
ルチカと、読むんだよ
ルチカ
ルチカ
これ、私の名前ですね?
星神 花
星神 花
そうだよ、人は文字を読んだり
書いたりして、生活を便利にしているんだ。
ルチカ
ルチカ
わ、私も書きたいです!
ルチカが、目を輝かせながら言う。
星神 花
星神 花
鉛筆は、こうやって持つんだよ?
ハカセが、正しい鉛筆の持ち方を
教える。
ルチカ
ルチカ
わかりました!
ルチカも、見よう見まねで、やってみるが
指がプルプルして、なかなか上手くでき
ない・・・
ルチカ
ルチカ
ん!んんんん・・・・
星神 花
星神 花
力は、そんなに必要ないんだよ
ルチカ
ルチカ
わかってますけど・・・難しくて
その時、コロンコロンと、鉛筆を
ルチカは、落としてしまった。
ルチカ
ルチカ
あっ
星神 花
星神 花
大丈夫、僕が拾うから
ハカセが、鉛筆を拾い、ルチカに
差し出す
ルチカ
ルチカ
あの、ハカセ・・・この持ち方じゃ
なくちゃ、だめですか?
ルチカ
ルチカ
ギュって、鉛筆を握るだけじゃ
ルチカが、ハアと、ため息を
ついた。
星神 花
星神 花
ダメじゃないけど、後からなおす
のは、大変だよ?
星神 花
星神 花
すぐできないのは、しょうがない事
なんだ
星神 花
星神 花
僕だって、いつもいつも、すぐに
できるわけじゃないしね
ハカセが、ルチカを元気づけるように、
ニコッと笑う。
ルチカ
ルチカ
わかりました、もう一回やってみます
ルチカは、鉛筆をそっと、握ると
字をゆっくり書いてみた。
メールさん
メールさん
ナカナカ、ウマイジャナイデスカ!
星神 花
星神 花
うんうん、上手に書けてるよ。
ルチカ
ルチカ
ルチカ
本当ですか!やったーーー
おもわず、ハカセとハイタッチを
してしまったルチカ。
ルチカ
ルチカ
あの、ハカセ、文字の本って
ありますか?
星神 花
星神 花
あるけど、どうするの?
ルチカ
ルチカ
練習したいんです!はやく、書ける
ようになって、はやく人間に近づきたいから
星神 花
星神 花
ルチカ・・・
星神 花
星神 花
わかった、子供用の文字が書いてある
本を貸そう
ハカセは、後ろにある本棚から
字の本を取って、ルチカに渡した。
ルチカ
ルチカ
ありがとうございます!
ルチカは、お礼を言うと、嬉しそうに
自分の部屋に戻っていった。
メールさん
メールさん
ルチカサン・・・トテモ、ウレシソウ
デス
星神 花
星神 花
わかってないな、ルチカは・・・
メールさん
メールさん
ナニガデス?
星神 花
星神 花
人間に近づくってことは、完璧に
字を書けるようになるとか
星神 花
星神 花
そういうことでは、ないんだ
メールさん
メールさん
ドウイウコトデスカ?
星神 花
星神 花
ルチカは、頑張りすぎてしまう
ことがあるんだよ・・・
星神 花
星神 花
頑張らないと、人間になれない
と、思ってるんだ。
メールさん
メールさん
ハカセ・・・
星神 花
星神 花
僕は、なぜ、そこまで人間に
こだわるのかが、わからない・・・
メールさん
メールさん
ハカセニモ、ワカラナイコトガ
アルノデスネ
星神 花
星神 花
ああ、あるよ。たくさんね
メールさん
メールさん
デモ、スコシ、ワタシハ・・・
ルチカサンノ、キモチガ、ワカリマスヨ
星神 花
星神 花
えっ?
メールさん
メールさん
ワタシタチ、ロボットハ、ニンゲンニ
アコガレテルンデス・・・
メールさん
メールさん
カンガエカタ、クルシミヤ、ドリョクス
ルスガタ、アア、イキルッテナンテ、
スバラシイノダロウト・・・
星神 花
星神 花
メールさん・・・
メールさん
メールさん
ワタシモ、デキレバ、ニンゲンノ
ヨウニ、ナリタイ・・・
メールさん
メールさん
アナタタチニ、チカヅキタイト
オモッテシマウノハ、ワタシタチモ
メールさん
メールさん
ヒトリノニンゲントシテ、ミテホシイ
カラカモシレマセン・・・
星神 花
星神 花
人間って、そんなに憧れるものなのか
星神 花
星神 花
僕は、人工知能だろうが、ロボット
だろうが・・・
星神 花
星神 花
一つの生命として、見てる
星神 花
星神 花
物なんかじゃ、ないさ
星神 花
星神 花
特に、自分で作った、君やルチカは、
僕の家族のように思ってるんだ
メールさん
メールさん
メールさん
メールさん
ソンナニ、オモッテイタダケテタナンテ
ウレシスギマスヨ
星神 花
星神 花
ルチカにも、気づいて欲しい
星神 花
星神 花
君は、僕の大切な宝物って
ことを・・・
その夜、ルチカは、寝る間をおしんで
字を書く練習をした。

いつか、ハカセと同じ人間に
近づくために・・・

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