あんな初恋はあっさり消えてしまった。
私はあの出来事から2週間後引っ越すことになったから。
仲良かった友達に別れを告げた。
そして〇〇中学校に転校した。
あなた 「今日から新しい生活が始める。 楽しい学校生活が送れるといいな♪」
ウキウキしながら学校の門をくぐった。
下駄箱で真っ白くて綺麗な上履きに履き替えて職員室へ向かった。
トントンと職員室のドアをノックする。
あなた 「し、失礼します。 て、転校してきた………。」
先生達の目が一気に私に集まる。
恥ずかしくなってモジモジしていると
先生 「あなたさんね! 1年1組だから、一緒に行きましょ! あ、私は高橋彩華です。 これからよろしくね!」
あなた (明るくて優しそうな先生でよかった!)
私は安心とこれから始まる学校生活に胸が弾んでいた。
しかしー
高橋先生 「あ、じゃああなたさん。 教室入ったら自己紹介してね!」
あなた 「…え? わ、私からですか? どうしてもですか?」
高橋先生 「そうよー! みんなするから大丈夫よ!」
そう言われさっきまでの嬉しさは消えてしまった。
教室に入るとみんなが一斉に私に注目する。
恥ずかしくて俯いていると
高橋先生 「おはようございます。 今日からこの学校に転校してきたあなたさんです。 じゃああなたさん 自己紹介してね!」
あなた 「え、えっと。 あなたです…。 よ、よろしく、お、お願いします…。」
私の自己紹介はたどたどしくて誰が聞いても酷いものだ。
また失敗しちゃったなと思っていると先生が言った。
高橋先生 「みんなこれから仲良くしてあげてね!」
みんな 「はーい。」
高橋先生 「じゃあ、1時間目の学活始めるよー! 号令係さんお願いしますって、まだ決めてなかったね。 じゃあやってくれる人ー?」
男の子 「はーい! 俺やる!」
高橋先生 「ありがとうね、玉森くん。 じゃあお願いね。」
玉森くん 「起立、礼。 着席」
誰だろう、号令をしている子は。
そう思い顔をあげて男の子の顔を見てみた。
あなた 「えっ? 嘘…?」
思わず声を出してしまった。
なんと小6の時の初恋だった男の子だったからだ。
私はドキドキと不安とで頭がごちゃごちゃになっていた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。