阿部side
あなたから帰ってくるというメールが来て
俺はあのカフェに向かった。
目黒「ご注文……って。えっ」
『アイスコーヒーとカフェオレ1つ。』
目黒「サイズは」
『レギュラーで。』
目黒「お会計、700円です」
目黒くん、驚いてるな。
俺もなかなかこういうところに来ることがないから
いいかも。
目黒「丁度お預かりします。では、そちらでお待ちください」
周りからの目線も気になるけど、
少ししたら来てくれたから、まぁいい。
目黒「おまたせしました。」
『ありがとうございます』
目黒「あの、どういうつもりで来たんですか?」
『どういうつもりって、ただコーヒーが飲みたくなっただけです。では』
目黒「ちょっとまってください」
『お仕事中では?』
目黒「はい……」
『あっこれを渡そうと思ってたんです』
俺は、名刺にプライベート用の携帯の
電話番号を書いた。
『どうぞ。また今度2人でお会いしたい。』
目黒「連絡しろと?」
『そうですよ。ではまた来ますね』
俺は店を立ち去り、あなたを待った。
あなた「えっ……阿部さん自ら行ったんですか? 」
『いつものお礼。飲んで』
あなた「ありがとうございます」
『そういえば、テレビの方どうだった?』
あなた「上手く行きました。」
『それは良かった。今日、インフルエンサーの子達に会いに行くから、帰ってきてすぐに申し訳ないんだけど、ついてきて貰える?』
あなた「今回、阿部さんも行くんですか?」
『行くよ、てか今回は俺とあなただけ。急ぐよ』
あなた「はい!」
俺は、頭脳で頑張るしかない。
会社とあなたを……この手から離さないためにも。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。