阿部side
朝、始発で帰った。
直接会社に向かった。
その前に、照も俺も服を買いに行ったけどね。
『あなた、ただいま』
あなた「おかえりなさい。」
『ごめんね、』
あなた「あの、宮舘さんは」
『辞めたよ。見てわかったと思うけど、深澤さんの会社に移ったよ』
あなた「そうですか……阿部さん大丈夫ですか?」
『大丈夫。』
あなた「無理なさらないでください」
『前にあなたと話してた町田さんのところだけど』
あなた「どうでした?」
『上手くいったよ。あと、色々とあって……』
あなた「もう話は聞いてます。いいと思いますよ、買い取ったこと」
『ありがと。さすがあなただよ』
あなた「いえ……」
『コーヒー買ってきてくれない?』
あなた「了解しました」
少しすると、あなたが
いつものお店で買ってきてくれた
コーヒーを飲んで、仕事に取り掛かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!