第2話

短編②
475
2019/05/06 10:30
前回の続き。今回はJsideのみ

「ん、…っ…?…な、に…?」
何となく息苦しさを感じて眠りから覚めた俺はぼんやりと瞼を上げた。コンタクトも外していて薄ぼけた視界にはテオくんの赤ら顔がどアップであって、益々訳が分からなくなった。何?夢かなこれ?え?俺今テオくんとチューしちゃってたの…?
「あははっ、寝惚けてるでしょじんたん!こんなセクシーな格好してたら風邪引いちゃうよ〜」
「へっ?!ウワッ、わ、…見るなバカ!」
そう言って笑われるからハッと思い出して身体を起こせば未だ下半身は露出したままでさすがの俺も恥ずかしくなって顔が熱くなった。何これ、こんなとこ見られるとかなんの罰ゲーム?泣いちゃいそう。
「ん?どしたぁ?」
「…っ、何でもない!」
「えっ!じんたん泣きそうじゃん!ごめんごめん、バカにした訳じゃないんだよ〜?」
じわりと目頭が熱くなるのを自覚しながらも強気にキッと睨み付けたらなんて逆効果。あんまり優しい声であやされるから俺を泣かせてる本人だって言うのにガバッと抱き着いてしまった。自分で突っ込むのもあれだけど俺ってば矛盾し過ぎでしょ。

「よ〜しよしよし、大丈夫だよじんた〜ん」
わしゃわしゃと頭を撫でてくれる大きい手が気持ち良くて離れ難い。頭の隅っこでは早くパンツ履かなきゃとは思ってるんだよ?!ほんとに!
「そうだ!俺も恥ずかしいこと1個教えたげるからさ!あのね?さっきじんたんにチューしちゃった!」
「ん?!」
思わずバッと顔を上げてテオくんを見詰めてしまった。え?あれ夢じゃなかったの?ポカンとしていたら何その顔、とまたいつもの弾けんばかりのキラキラ笑顔を見せられるからこんなにドキドキしてる俺だけが可笑しいのかななんて思ったり。
「そんな可愛い顔してるともっかいしちゃうよ?」
「えっ、待ってテオく、っ…!」
ムチュッと想像以上にしっかり重なった唇は熱くて少し濡れてて啄むような動きにすら腰が抜けるくらいゾクゾクして。しっかりと俺の頬っぺたやらお尻やらを支えてる手が直接肌に当たって熱く感じるのも全てがダメだった。ほんのりとアルコールの香りを感じるなと気付いた時にはもう、メチャメチャに舌を絡ませ合っている俺達が居た。

「っぁ、…んん、ッ…んぅ、っ……」
「…ン……っ、ちゅ、ッ……うわぁ……じんたん、凄い顔してんね…」
「…ふぁ、…ぁ、…何それ…ブスってことぉ?」
「いやぁ…なんかもうブサ可愛いの域だよこれ、メチャクチャかっわいーもん」
そう言って俺の口元を拭った指先は濡れていてそんなに涎まで垂らしてたかと内心驚いた。そりゃあブサイクだよ。
「んぅ、っ…あ、そこはダメ!」
「いいじゃん、見せて?」
強く言われてる訳じゃないのにテオくんにお願いされただけで、大事なとこを隠してたはずの俺の手は従順にそこから離れていく。またしてもすっかり元気になってしまったそこを見てテオくんは益々にんまりと楽しそうに笑っていた。
「ふふっ、おっきくなってるじゃんここ!こうなってる時に見るの初めてかも」
「っや、…ダメだよ…テオくん……ほんとにホモになっちゃうよぉ…」
大丈夫だよ、と何故か自信満々のテオくんは何の躊躇もなく俺のモノに触れてくるからビクンと腰が跳ねた。自分のよりも大きくて熱い手の平に包まれてしまえばもう我慢なんて出来なくて、カクカクと不格好に腰を動かしてその手に擦り付けてしまう。はしたないって分かってるけど、どうしよう全然止められない。

「はぁ、ッ…ん、っ…ん、……テオくん…のも、おっきくなってる…」
「なぁに、じんたん触ってくれんの?」
「ん、…いいよ……?」
ジーンズの上からでも分かるくらい膨らんでる股間を見てしまったら思わず声に出してしまった。覚束無い手付きでベルトを外して、グイグイと力任せにパンツごと引っ張ったらやっぱり優しく笑われた。
「ねぇ、俺の上乗ってよじんたん」
「…んっ…こんな感じ…?」
胡座をかいた上に跨って座って、死ぬほど恥ずかしいはずなのにもう目の前の快感しか追えなくなってる。テオくんのと俺のと、纏めて扱かれると気持ち良過ぎて意味分かんないもん。夢中になってテオくんにしがみついて息を吸い込んだら、居酒屋で染み付いてきただろう独特のタバコ臭さが慣れなくて益々興奮してしまう。

「あっ!ァ、…テオくん、っ…テオくん、ッ…!もっ、だめ、…」
「っはぁ……、…ん?じんたんイキそう?」
いつもより赤い気がするその頬っぺたに自分から頬擦りして、少しだけ蕩けた瞳とばっちり視線が絡んで、お腹の下の方が一気に熱くなった。何その目、彼女にしか見せちゃダメなやつだよテオくん。必死にコクコク頷いたら意地悪そうに笑って、先っぽばっかりグリグリって虐められた。
「ねぇ、…じんたんがエロ過ぎて俺もイッちゃいそうなんだけど」
「んっ、じゃあ、…一緒が、良い……」
分かったと頷いたテオくんにまたいっぱいチューされて、さっきよりも強く扱かれて頭がボーッとしてきてしまう。もう、余計な事なんて何1つ考えられない。
「アッ、ぁ、んっ!イくっ、テオくん…ッ……も、出ちゃ…ッ……〜〜〜っ!」
「んっ、俺も、…ーーーッ…!」
ギューっと抱き着いたままブルブル身体を震わせて、俺なんか2回目だって言うのにビュクビュクッていっぱい出しちゃった。テオくんのもビクビクしてて、気持ち良さそうに目瞑ってるのも格好良くて、この後気不味い空気に包まれるだろうことなんてすっかり忘れて俺はその顔に見蕩れてしまっていた。

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