和也『…俺…廃棄する』
丈一郎『…は?』
和也『深い傷を覆ったまま一人で生きるなんて無理や』
丈一郎『…おい!大橋!』
和也『だってそうやろ!?』
そう言って藤原丈一郎を見た。
和也『…丈くんがおらん世界なんて考えられへん』
丈一郎『…』
和也『…丈くんがおらんかったら…俺はどうやって生きていけばいいん?』
丈一郎『…あかんよ』
和也『…丈くん…生き残ってな?』
そう言って大橋和也は右手を上げた。
和也『俺、廃棄します』
ピエロ『廃棄は死ぬと同じですが?』
和也『分かってます』
すると誰かが前に出た。
藤原丈一郎だ。
彼は右手を上げる。
丈一郎『…俺も廃棄する』
和也『…丈くん…?』
ピエロ『…一気に2人もですか…』
丈一郎『ええやろ?』
するとピエロは頷き、手を叩いた。
ピエロ『言い残すことは?』
和也『…丈くん…ありがとう』
丈一郎『…ありがと』
すると2人は目を閉じて倒れた。
ピエロ『さぁ、残りは6人』
ピエロ『楽しみですね〜』
そう言ってピエロは消えた。
あなた『…嘘…』
恭平『…』
謙杜『…なん、で…』
私達は唖然として立ち尽くす。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。