その瞬間、一人一人倒れていく。
まるで催眠術にかけられたみたいに。
あなた『…っ…高橋くん!』
恭平『…っ』
すると高橋くんが私にもたれかかった。
その瞬間、意識が無くなった。
あなた『…ん』
恭平『…あなた』
あなた『…高橋くん?』
目が覚めると
周りは木だらけで森かな。
夕方だった。
ーーー
今からルール説明をします。
今、18人いると思います。
そのうち10人を
抹殺します。
ーーー
あなた『…10人って』
流星『…半分以上やん…』
和也『…もう…終わりや…』
ーーー
ゲーム開始後、鬼を3名放出します。
鬼に捕まったものはその場で抹殺されます。
残りの8人になれるよう、頑張ってくださいね。
ーーー
すると画面が変わった。
“10.00”
“09.99”
だんだん減っていく。
ーーー
鬼放出までの時間です。
頑張ってください。
ーーー
丈一郎『…逃げた方が、ええんよな?』
大吾『…よし、やったるか』
そう言って西畑大吾は伸びをした。
そういえば、陸上部だったよね。
しかもトップレベルの。
恭平『とにかく、遠くまで逃げとこう』
あなた『…』
恭平『行こ』
あなた『うん』
高橋恭平は私の手を握ってこの場所から離れた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。