恭平『おい』
駿佑『普通に気になるやん』
恭平『…』
彼は私の好きな人を知っている。
だから私から気まずそうに顔を逸らした。
駿佑『で、いんの?』
あなた『…いるよ』
駿佑『へぇ』
あなた『…急にどうしたの』
駿佑『…別に』
そう言って彼はトランプを配る。
その横顔は切なそうだった。
恭平『やっぱやめよ』
あなた『…え』
恭平『ちょっと来い』
そう言って高橋恭平は道枝駿佑を連れて行った。
ーーー
駿佑side
恭平『あいつのこと好きやないって言うたよな』
駿佑『…』
恭平『…はぁ』
分かっとる。
恭平と恋のライバルにはなりたくないねん。
恭平『…佐藤はあの女と違う』
駿佑『…』
恭平『俺の女やから手出すな』
佐藤さんが笑った時、
全身に電気が走った。
俺の“好きだった人”にそっくりやったから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。