藤原丈一郎side
和也『なぁ丈くん』
丈一郎『ん?』
和也『もし…時間内に見つからんかったら…』
丈一郎『…』
恭平も、俺らも死ぬ。
丈一郎『絶対見つかるから』
和也『…』
丈一郎『死ぬ気で探すで』
大橋は、何事にも不安を感じている。
でも、皆の前ではそんな素振りは見せない。
俺の前だけ、弱気なんや。
丈一郎『…大丈夫やから』
和也『…うん』
大橋の精神も、限界を迎えている。
俺が傍におらな、大変なことになる。
和也『ごめん、丈くん』
丈一郎『なにが?』
和也『いっつも丈くんに頼ってばっかで…』
丈一郎『謝るな』
和也『…』
丈一郎『好きなだけ俺に頼れ』
和也『…丈くん』
こいつを守れるのは俺しかいない。
こいつの過去を見ればよく分かる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!