あなた『…ん』
恭平『…』
朝目が覚めると私は誰かの肩にもたれかかっていた。
そっと隣を見ると高橋恭平。
腕を組んでぐっすり眠っていた。
恭平『…ん』
あなた『…あ…おはよう』
恭平『…ん、ぉはよ』
彼は私を見て眠そうに目を擦った。
あなた『…寝癖ついてるよ』
恭平『…あ』
ぴょんっと小さく髪が跳ねていた。
私は髪をサラッと触って直した。
恭平『…ありがと』
あなた『うん』
少し顔を赤くして俯いた高橋恭平。
ぼそっと何か言った。
恭平『…やば…可愛すぎ』
あなた『ん?』
恭平『なんもない』
高橋恭平は立ち上がって皆のいる教室へ向かう。
途中で手を差し出してきたから私は大人しく握った。
大吾『おはよう』
あなた『おはよう』
教室に入ると西畑大吾が優しい笑顔で挨拶をしてくれた。
謙杜『恭平』
恭平『ん?』
謙杜『投票、今日どうすんの』
長尾謙杜がそう言うと皆は高橋恭平を見た。
恭平『…別に皆好きに入れたらいいんちゃう?』
謙杜『…まぁ、そうなんやけどさ』
恭平『別に俺が決めることちゃうよ』
謙杜『…うん』
すると皆は好きなように携帯を取り出して名簿を見た。
あなた『…たくさん同数になるかも』
恭平『それはしゃーないよ』
あなた『…』
恭平『…お前は絶対死なせんから』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。