第14話

鬼と少女
23
2022/01/18 21:03
鬼灯ホオズキ
花子 何故来た!?
「なにしてるの?」

女の子……もとい花子ちゃんが、

鬼さん……もとい鬼灯の横をすり抜け 熊に近付く


やっぱアイツ匿ってたんだな


……にしても

手前側の熊 結構血みどろだけど見えてない……よね?


花子「わ〜 おっきなて!」

無邪気に熊に手を伸ばした
鬼灯ホオズキ
触るな!
Σ(๑ °꒳° ๑)ビクッᵎᵎ


泣きそうな顔で花子ちゃんが鬼灯を見る


花子「ほ……ずき?」
鬼灯ホオズキ
驚かせてすまない

だがその熊には……
花子「ほーずきなんてきらい!! 
。・゜・(ノД`)・゜・。」

ダッと駆け出し 茂みの中に入り込んだ花子を追って茂みに踏み入ろうとする

花子「こないで!!」

が拒絶された鬼灯は仕方なく茂みの手前で花子の説得を試みる


それを俺は慌てて

栄は心配そうに

志信は苛立ちながら

見ている

余計な事をしないようにする為にだ

鬼灯ホオズキ
花子、すまなかった
反省している

だから早く近くに……
花子「やだやだ!! ほーずきなんてきらいなんだかや!!
。゚ヾ(゚`ω´゚ノシ゚。)ノシ」


嫌いという言葉に少し悲しげな表情を浮かべながらも
鬼灯は説得を止めない


熊はもう倒し終わったってのに

何がそんなに鬼灯を焦らせてるんだ……?


そう思った瞬間

花子ちゃんの横から、今までの熊より一回りはデカい熊が現れる

俺達は思ったより茂みから離れていて間に合わない

先程まで嫌い嫌いと喚いていた花子ちゃん


花子「え……」


だが縋るように彼女が見つめたのは鬼灯だった
鬼灯ホオズキ
花子…ッ!!
花子を庇い ボス熊の渾身の一撃をもろに食らった鬼灯

熊は直ぐに志信のクナイによって仕留められ

栄は間髪入れず、鬼灯に弓を打った


ん?……鬼灯に弓を打った??


幸い泣きじゃくる花子ちゃんには見えてないみたいだけど……
久遠 透クオン・トオル
ちょ……っ 栄!?
スイ
あの熊の爪には猛毒が有ります、
鬼は妖の中でも丈夫ですが危険である事に変わりはない

もう少し傷が浅ければ良かったのですけどね
久遠 透クオン・トオル
いやだからなんで弓を??
スイ
栄の弓には浄化作用が有ると言ったでしょう?
それが毒の効果もある程度無害化するのです。
久遠 透クオン・トオル
翠 解説マジ助かったわ
よく見たら熊の時と同じく 血が出てない

↑熊にやられた傷から出血はしてるけど


花子「ほーずき! おきて…おきてよぉ……っ!」


花子ちゃんの悲痛な叫びにも鬼灯は荒い息しか返さない

喋る余力も無いってかなりヤバイよな……
志信シノブ
動かしたら毒が全身に回って死ぬよ
久遠 透クオン・トオル
おい志信 花子ちゃんを泣かせるなよ!
花子「しぬ? ほーずきが?
…………やだぁ…っ! きらいっていってごめんなしゃい!
もういわな…からぁ……っ!
・゚・(。>д<。)・゚・」
志信シノブ
ε=(・д・`*)ハァ……
花子ちゃんの変わり身の早さに呆れつつ 志信は手早く応急処置をした
サカエ
花子さん、何処か横になれる場所はあるかな?
花子「ヒック…グスッ……どうくつのなかにあるよ……
( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀  )」
サカエ
ありがとう
(*´꒳`*)
栄がチラりと志信や俺を見る

鬼灯を運ぶのを手伝って欲しいということだろう
久遠 透クオン・トオル
オケ
俺身体持つから 栄は足持って
体格的に俺の方がデカい為 そう言う

志信には俺や栄のサポート兼護衛を頼んだ
志信シノブ
毒が回るからゆっくり運びなよ
久遠 透クオン・トオル
判ってる
花子「ほーずき……だいじょぶ? げんきになる?」
サカエ
大丈夫だよ
(*´꒳`*)
心配そうに見つめる花子ちゃんに俺は返事が出来なかった

大丈夫だという確信が無いから


でも栄は死なせたりしないと自らに言い聞かせるように

そう穏やかに、それでいて力強く告げたのだった

プリ小説オーディオドラマ