俺が薪を拾って帰ると二人は山菜や魚 肉などの下準備をしている
火を付ける為の薪待ちをしていたようだった
申し訳なさそうな顔をした栄が持つ
焼きやすいように串に刺されている魚を受け取る
栄はボッと指先に火を灯し それを薪に近付け点火してみせた
そうはにかむ栄の言葉を聞き、
ふと先程の男ががこの狐も……的なものを言っていた事を思い出す
対抗心からか指先でなく 吊るしていた猪肉を一瞬で食べ頃の丸焼きにしてみせる志信
とりま 頭を撫でて見ると嬉しそうな顔で撫でられていた
異世界に来て初めての食事が魚の塩焼き、猪の丸焼き(血抜き済み)、サラダ的なものって
結構 栄養バランス良くない? 知らんけどw
今 俺は両手に花な感じで焚き火を囲んで飯を食ってる
「いただきます」はちゃんと言ったし 志信には言わせた←
両手に花の理由は二人が(主に志信が)擦り寄ってきて 栄はそれを和やかに見つめてるから
そして、そろそろ気付いた この二人 温度差が凄過ぎる
イメージ 志信(ライバル視)➡︎←(なんとも思ってない)栄 みたいな感じ
そう志信の火は血のような紅 栄の狐火は安らぐような緑
これ性格が出てるとかだったらどうしよ……
俺の腕に抱き着きながら言われると怖さより可愛さのが勝つわ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。