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第3話

お風呂はゆっくり入りたい派。
8,068
2024/01/06 10:44



目黒side


佐久間大介
おっ風呂〜、おっ風呂〜!
目黒蓮
風呂入りに行くだけでテンション高…
佐久間大介
汗かいたあとの風呂ほど最高なもんないだろ?
目黒蓮
確かに気持ちいいし最高だけど。


グループ仕事で地方ロケに来てたこの日。


泊まり込みでの撮影で、先程ようやく撮影が終わり各々ホテルの部屋に入った後にここのホテルに温泉があるとの事で佐久間くんに誘われ2人で大浴場に来ていた。

佐久間大介
俺ら全員で2日間のロケって珍しいよな。
目黒蓮
ね。でもみんなでこうして泊まりとかの仕事ライブ以外で中々ないから結構楽しい。
佐久間大介
だなぁ〜、仕事だけど旅行みたいで楽しいな!


なんて喋りながら服を脱いでると、ガラガラと扉が開き誰かが入ってきた。


この時間帯は夜も遅く、普段は営業してない時間で俺ら9人だけ特別に時間を作ってもらってるからそのメンバーの誰か風呂に来たんだとチラッとそちら目を向ける。

阿部亮平
あ、めめと佐久間も入りに来たの?
目黒蓮
はっ…?
佐久間大介
おぉ〜!阿部ちゃん!


入ってきたのは阿部ちゃんで、思わず声が出てしまった。


あ、阿部ちゃん…?なんで阿部ちゃん、部屋のシャワー使うって言ってなかった?ここ来るの面倒臭いからって…、だから佐久間くんの誘いに乗って来たのになんで!?


思考停止し固まる俺を阿部ちゃんは不思議そうに見てから隣に荷物を置き自身の服に手をかけた。


えっ?服脱いで…っ、!

目黒蓮
…っ、!?
 

すごい勢いで顔を背けて顔に力を入れて息を止める。


無理、無理だ服脱ぐところ見るとか上裸とか…ぜ、全裸とか…っ!


今までこの状況をなんとか避けてきたというのに、この何年もの積み重ねがもう崩壊してしまうっていうのか?

目黒蓮
………


いや、待て待て違うだろ。阿部ちゃんは何も悪くない、ただ風呂に来ただけだ。


それなのに勝手に動揺して阿部ちゃんの裸を見るなんてそんな最低なこと…。


見るものじゃない。そうだよ、今まで風呂入ってきて友達とか知らない人の体見ようなんて意識した事ない。


そうだ。メンバーの裸を見るなんて普通の事だ。普通…

佐久間大介
蓮?大丈夫?
目黒蓮
……え?あ、うん…
佐久間大介
どしたん、めっちゃ顔赤いけど?
佐久間大介
…あっ、もしかして阿部ちゃんの体見て照れてんの〜?
目黒蓮
なっ…!?


にやにやしながらコソコソと佐久間くんが俺の顔を覗き込むようにして問いかけてくる。


なんかムカつくな。自分は平気だからって。普通に推しの素肌とか見れるわけないだろ!見た…い、けど見れねぇんだよ!

目黒蓮
見てなっ、
阿部亮平
佐久間?めめ?まだ入んないの?


ヒソヒソと肩を押しあって喋ってると後ろから阿部ちゃんの声がしビクッと体が震える。


え、もう脱いだってこと?じゃあ今阿部ちゃんは……

佐久間大介
ん!入る入る、阿部ちゃん先行ってて〜。
阿部亮平
もう…服も着ないで突っ立ってたら風邪引くから、お喋りも程々にね?
佐久間大介
はーい。


佐久間くんがそう返事をすると風呂のドアが開く音がし、閉まった。

佐久間大介
俺らもそろそろ入っ……えっ!?うわっ!お前また鼻血出して…!
目黒蓮
……え?、っぁ、やべ、


見てないのに阿部ちゃんの裸体を想像したら興奮して鼻血が出てしまった。我ながら…俺ってまじできもいんだと実感する。


ていうか、阿部ちゃんの裸目の当たりにしたら俺ほんとに死ぬんじゃないの?自分の命の危機にちょっと怖気付いてきた。


雑にティッシュを何枚か取って鼻に当ててきてくれてた佐久間くん。でも止まることを知らない俺の鼻血。

佐久間大介
あ〜もう蓮!
佐久間大介
ここで拭くより風呂で流した方が早いだろ!ほら、入んぞ!
目黒蓮
えっ?待っ…まだ、心の準備がっ、
佐久間大介
んなもんいくら待っても出来ないんだから、早く!


腕を掴まれそのまま引きずられるように佐久間くんと一緒に風呂に入らされる。なんとか引っ張られた時にタオルを2枚取り、体を拭く用と鼻血を抑えるようで手に持つ。


あー…裸の阿部ちゃんが入ってると思うともうそれだけで変に意識して逆上せそう。


一応、もうすでに鼻血が出てるから鼻ら辺を手で抑えて隠し、目をめちゃくちゃ細めてなんとか物の位置を把握できるぐらいの視野にして辺りを見回す。

阿部亮平
お、やっと入ってきた。遅くない?
佐久間大介
ごめんごめん。もう温泉入ったんだ?気持ちいい?
阿部亮平
うん、めっちゃ疲れ取れるよ。


阿部ちゃんの声が響いて聞こえる。もうお風呂に浸かってるらしい。


阿部ちゃんからなるべく目を逸らしながらシャワーまで行き、温度を確認してから頭からお湯を浴び、一気に流す。

目黒蓮
……はぁぁ。


赤い色をしたお湯は無色透明の湯に変わっていき、気持ちも落ち着きを取り戻してきた。


…大丈夫、大丈夫。落ち着け目黒蓮。今まで何回も風呂で阿部ちゃんに遭遇したけど何事もなくやり過ごしたじゃないか。今回だってうまく……

阿部亮平
めめ?お風呂浸からないの?


いつの間にか佐久間くんもシャワーを浴び終え温泉に浸かっていて、しばらくシャワーを浴びてた俺に不思議な顔で聞いてきた。

阿部亮平
めめも早くおいでよ、気持ちいよ?
目黒蓮
…ぅ"っ、


反射的に顔を向けてしまいがっつり目が合う。


あ、あ……み、見ちゃった、肩から上しか見えてないけど見ちゃっ、た…っ。


首を傾げてお風呂だから髪の毛はオールバック。水も滴ってめちゃくちゃかっこいい…、火照った頬は赤くて可愛いし、首から鎖骨にかけてのラインも綺麗過ぎて…

目黒蓮
……っ、じゃねぇ、あっぶな…


慌ててすぐに顔を逸らして垂れそうになった鼻血を腕で拭く。


ふぅ…、さすがに興奮しすぎだわ。思春期の中学生かよ、たかが同性の裸…、俺とおんなじ体してる。


顔が可愛いだけ、他の人より魅力的なだけ、阿部ちゃんは推しなだけ…、と呪文のように心の中で唱える。


ここで阿部ちゃんの裸に耐えれれば俺また少し強くなれる。心も鍛えられる。


深呼吸して、シャワーを止めた。

目黒蓮
……よし、


意を決して顔を上げて一瞬だけ阿部ちゃんを見て位置を確認し、できるだけ離れたところから風呂に浸かる。


…大丈夫、視界から外せばどうにかなりそうだ。

目黒蓮
…はぁ、きもち。
佐久間大介
なんか蓮、遠くね?
目黒蓮
そんなことない。


阿部ちゃんの裸をなるべく視界に入れないように背を向けて目を瞑る。よし、これで大丈夫。


……なんて大丈夫だと思ったのに。

阿部亮平
めめ?顔真っ赤だけどもうのぼせた?
目黒蓮
っ!?…ぇ、あっ、いや…っ!


後ろから急に声をかけられてビックリする。心臓が飛び出るかと思った。


ざばっと阿部ちゃんが動いてお湯の波がこちらにも届き、小さく肩が跳ねる。

阿部亮平
大丈夫?
目黒蓮
…え?あの、うん、だいじょぶ、だけど、


ちゃぷちゃぷと波を立てながら俺の方に近寄ってくるのが分かる。


は?待て待て待て、え?こっちに来てる?わざわざ刺激を減らすために離れたのにこっちに来られると意味ない。

目黒蓮
……っ、


どうする、どんどん近付いてくる。もう絶対視界に入る…っ、こんなとこで鼻血出したら温泉が血に染まってしまう。そんな迷惑はかけられない。


くそ、まだ入ったばっかで浸かってたかったけど、

阿部亮平
め…、


阿部ちゃんに声をかけられかけた時、ザバンっと勢いよく立ち上がって湯船から上がる。

目黒蓮
…っごめん、もう出る。
阿部亮平
えっ?
佐久間大介
あ、蓮…!


急いで風呂から出て濡れた体を拭き、服を手に取る。


無理だ…、ごめん阿部ちゃん。やっぱり俺は推しの裸に耐えられないみたい…。


溜息をつきながら素早く服を着て、すぐさまこの場を離れたくて諸々の荷物を手に持ち出ようとしたとこでふと思い出す。

目黒蓮
…あっ、…うっわ、タオル置いてきた…


さっき佐久間くんに連れられて入る時に取ったタオル1枚をシャワーのとこに置いてきてしまった。


最悪…鼻血用とかで持ってくんじゃなかった。

目黒蓮
戻りたいけど……、仕方ないな…


ここから佐久間くんに声掛けてタオルを取って来てもらおう。


そう振り返って声を出そうと口を開けた瞬間。

阿部亮平
あ、めめ?このタオル持ってくの忘れてたよ。はい。


ちょうど風呂から出てきたであろう阿部ちゃんが片手で髪の毛を軽く拭きながらそう言い、俺にタオルを差し出した。


ピシッと空気と体が固まり、腕の力が抜け持ってた荷物全部床に落としてしまう。

阿部亮平
うおっ、え?ちょ、…大丈夫?


足…腕、胸、…お腹、


あ、阿部ちゃんの、ち…(自主規制)っ、

目黒蓮
…は…っ、


時間が止まったかのようその場で動けなくなる。


顔熱い、心臓バックバク…、こ、こんな刺激的なもの見続けちゃだめなの分かってるのに目が離せなくて、頭がぐるぐる回る。

目黒蓮
……ぁ、っ、
阿部亮平
ほんとに大丈夫?やっぱりのぼせたんじゃ…、
阿部亮平
えっ?うわわっ!!は、鼻血っ!


阿部ちゃんが慌てたような顔をして俺に差し出したタオルを顔に押し付けてきて、鼻の辺りを拭く。


おぉ、阿部ちゃん近い、お風呂上がりの良い匂いする…、慌てた顔可愛い…、肌とか水が滴って、このまま死んでもいいな…。

阿部亮平
めめ!?大丈夫?めめ…、ねぇ!…ちょっ、ど、どこ見てんの?


遠くを見据えてると阿部ちゃんが俺の肩を掴み体を揺さぶる。


けど今の俺には気遣ってくれてる阿部ちゃんの声が届かなくて、さっき俺にタオルを差し出してくれた阿部ちゃんの姿が頭の中で鮮明に再生され続ける。


……やばい、これ絶対忘れない。今まで見ないようにして、もったいぶってたのが馬鹿みたいだ。でも俺も成長したんだな、裸見てもぶっ倒れなかった、鼻血はすごいけど。

阿部亮平
ねぇっ、…鼻血止まんないよ?これっ、…病院行く?貧血起こさないっ?
目黒蓮
…はっ、…だい、…大丈夫…
阿部亮平
いやでもっ、さすがに…!
目黒蓮
ううん、大丈夫、大丈夫だから…


心配する阿部ちゃんを手でなるべく優しく押して遠ざけると力が抜けたように阿部ちゃんはそのまま数歩後ろによろけた。


その瞬間に見えた裸に一瞬ビクッと体が揺れる。

目黒蓮
…っ!?…、ん"っ…


咄嗟に顔を手で覆って鼻を摘みなんとか鼻血を止める。


だめだ、これ以上ここにいたらほんとに貧血で倒れるし、阿部ちゃん俺にばっか構ってしまって裸のままだし風邪ひいちゃうから服着て欲しい。

目黒蓮
た、タオル…ありがとう。俺は…大丈夫だからっ、……それじゃっ、
阿部亮平
あっ、めめ…っ、


阿部ちゃんにお礼を言って荷物を持って走って風呂場を出る。後ろから俺を呼ぶ声がしたけど振り向かず一目散に部屋に戻った。


ドタバタとうるさい音を立てながらも鍵をしっかり閉めて誰も入れないようにする。

目黒蓮
はぁー…、っ……はぁっ…、


部屋のドアを閉めたとこで一気に脱力しその場に座り込む。


あぶなかった、ほんとに。あのままあそこにいたら興奮してまじで死んでたかもしれない。阿部ちゃんにあれ以上心配させたくなかったし、迷惑かけられなかったから。

目黒蓮
あ"ー……心臓止まるかと思った…


1人になったとこで心臓を抑えながらそう呟き、大きく息を吐く。両手を顔に持っていき覆うとさっきまでの光景が頭の中にフラッシュバックする。

目黒蓮
むり…しぬ…、くるし…、


どんどん体が前に倒れていって、ゴンッと床に頭をぶつける。


いってぇ……あ、床冷たい…頭を冷やしてくれてるみたいで…気持ちいい…、

目黒蓮
はぁー…


このまま寝れそう。…このまま眠れば夢で阿部ちゃんと風呂入る夢見れるかもしれない。


ずっと阿部ちゃんの裸が頭から離れないし、むしろ阿部ちゃんの顔とか声とかまで思い出し始めてちょっとやばいし。


ほんとに推しってすげぇわ…、罪深い存在すぎるだろ…。


でもやっぱりもっと耐性付けないといけない。毎度毎度、鼻血出してたらキリないから常に冷静で落ち着かないと。

目黒蓮
……あべちゃん…


ふわふわする意識の中、重くなる瞼をゆっくり閉じたのだった。


次の日床で寝てしまったことで体の節々が痛くなったのは言うまでもない。






皆様、あけましておめでとうございます!🐲


新年一発目はここの限界オタク🖤書きたくて。

たださすがに毎度毎度鼻血出して現実だったらまじで貧血でぶっ倒れてるだろって思ってる方々、大丈夫です。私が1番有り得ねぇよって思ってます笑


今後は鼻血を何とか出さないよう耐えようとする🖤くんの成長を見て頂けると嬉しいです。


では!今年もどうぞよろしくお願いします!🙏

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