第2話

こんなファンサは知らない。
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2023/11/19 09:00



目黒side

阿部亮平
ん〜…おいひぃ、
目黒蓮
……


うん、可愛い。


ケータリングの弁当食べてるだけでこんなにも可愛い人、阿部ちゃんしかいないだろうな。


今日は午後からグループでの仕事、取材で、今は撮影前にお昼をみんなで食べてる。楽屋のテーブルにはケータリングの唐揚げ弁当か鮭弁当が並んでて、各々自由に好きなものを取って食べてるんだけど。


阿部ちゃんは唐揚げ弁当を選びにこにこと美味しそうに食べては、その口に含んでる時のほっぺたの膨らみ方がもうなんとも可愛くて、可愛い以外の語彙力が死ぬ。


阿部ちゃんを見てるだけでお腹いっぱいになるな。

阿部亮平
めめ、食べないの?
目黒蓮
……え?あっ、いや、食べる、よ…


思わずぼーっと阿部ちゃんを見ながら食べてたら視線に気づいたのか阿部ちゃんに声をかけられて咄嗟に声が裏返る。


めちゃくちゃ恥ずかしい、なんで声裏返ってんだよ。
声裏返るのは阿部ちゃんの「どーも!!」って挨拶だけでいいんだよ。

向井康二
この唐揚げうんまっ!
佐久間大介
うわぁ、それ美味そうだったんだよな。でも今日魚の気分だったから鮭弁当にしちゃった〜
深澤辰哉
照〜1個くれ〜
岩本照
は?やんねぇよ。
渡辺翔太
……
宮舘涼太
翔太、唐揚げ欲しいなら1個あげようか?
渡辺翔太
なっ…いや、…いらないし、
ラウール
しょっぴーの卵焼きもーらいっ。
渡辺翔太
はっ!?おまっ、勝手にとんな!


可愛い阿部ちゃん以外はちょっとうるさいけど、でもこれがいつもの楽屋風景だからなんとも思わない。


俺はというと鮭弁当を取ってて静かに阿部ちゃんを見つめ食べてた。


すると、また目が合い阿部ちゃんは一瞬自分の弁当に視線を戻して再び俺を見ると、

阿部亮平
……めめも1個いる?
目黒蓮
えっ、


周りの流れに乗って何気なく聞いてきたのか、唐揚げを指さして俺に聞いてきた。


は?いやいや、え?何を突然。


阿部ちゃんの唐揚げ欲しい…けど、でもそんなの貰っていいの?こんな急な推しからの供給はちょっと心臓もたないというか…、

阿部亮平
めめ?ほら、…あーん。
目黒蓮
……っ!?


あ、あーん…?…あーんって言った?阿部ちゃんからのあーん…とかそんな、死ぬ。てか言い方かわいっ。


俺が口開ければいいのに阿部ちゃんも口開けてんの可愛いし、てかその箸阿部ちゃんが使ってた箸で唐揚げ掴んじゃってるし、もうまじで何もかも可愛いしっ…、

阿部亮平
ほら、めめ早くしないと落ちるよ。
目黒蓮
えっ…あ、…んぐ、


固まったまま何も言わない俺を急かすように言ってきて、軽く開けた口に無理やり唐揚げを突っ込まれた。

阿部亮平
どう?
目黒蓮
んん……、おい、しい…
阿部亮平
だよね!この唐揚げめっちゃ美味しいよね。


阿部ちゃんに言われるがままもぐもぐと咀嚼する。


うん、えっと、正直ドキドキし過ぎてあまり味がしない、かな。ただただ頭パンクしてまだ状況を理解出来てない。

佐久間大介
阿部ちゃん俺にもちょーだい。
阿部亮平
えぇ?はい、あーん、
佐久間大介
あー…むっ、
佐久間大介
ん〜…、んまっ!


佐久間くんにも俺と同じように食べさせて、もぐもぐと美味しそうに食べてる佐久間くんを見て優しく微笑む阿部ちゃん。

目黒蓮
…………


なんだよ羨ましいな…、俺は味しなかったのに。


ていうか悔しい…せっかく阿部ちゃんに食べさせて貰えたのに。もっと美味しそうに俺が反応してれば阿部ちゃんもあんだけ優しい顔見せてくれたのかな。

目黒蓮
はぁ…


自分の手元にある鮭弁当を再び口に運びながら1人反省会をする。


毎回思うけど阿部ちゃんを好き過ぎるが故に、過剰に反応してしまう自分をどうにかしないといけない。


でも無理なんだよな…、頭の中でシミュレーションしても実物目の前にすると思考停止しちゃって。


チラッと阿部ちゃんを見ると先程と変わらず美味しそうにご飯を口にしながら可愛らしい笑顔を振りまいてる。

目黒蓮
可愛いな…
向井康二
なー、ご飯食べてるだけで可愛いってずるいよなぁ。
目黒蓮
うん、ほんとに……、って急になんだよ。
向井康二
んー?相変わらず阿部ちゃん見てんなーって思って。


いつの間にか隣に座ってた康二がうんうんって頷きながら俺の真似をするように軽く肘をついた体勢になってニヤニヤと俺を見てた。

目黒蓮
…きもい顔で見るな。
向井康二
きもいって!失礼なやつやな。
向井康二
めめが困ってたから声掛けに来てやっとんのに。
目黒蓮
別に困ってない。
向井康二
またまたぁ〜、顔真っ赤にしてたやん。阿部ちゃんからあ〜んしてもらって。
目黒蓮
……
向井康二
まぁ、今回は鼻血出さんかったんは偉かったな。
目黒蓮
いつも出してるみたいに言うなよ。
向井康二
いつも出しとるやん。漫画みたいやで?あれ。
目黒蓮
うるさいな。


わざとらしく康二に背を向けるようにして阿部ちゃんを見つめる。


まじでほんっと可愛い…、あ〜唐揚げ食べた口小さい…美味しかった時目瞑るのも可愛いし、なんか唐揚げの油で唇がツヤツヤしててそれもまた可愛い。
あんなに美味しそうに食べるならもっと食べさせてあげたい。


……って、うっわ…待って、俺なんで1個貰っちゃったんだろ。もう1個あればまた別の阿部ちゃんの可愛い笑顔、もっと見れたじゃん。馬鹿だろ俺。

目黒蓮
はぁ〜……
向井康二
幸せ逃げるで?
目黒蓮
もう目の前にいるから。
向井康二
やかましいわ。


そして阿部ちゃんが残さず全部食べ終わすところまで見届け俺も食べ終わり、阿部ちゃんに続き空になった弁当箱を捨てて阿部ちゃんが座る位置よりまた少し遠くに座った。


今日はこれ以上の供給は望んでない。もうあーんなんてご褒美をもらったし、実際見てるだけで十分なんだから。


着替えまでの時間を潰すためスマホを開くと待ち受けには先日撮った阿部ちゃんの寝癖姿があった。


その天使の寝癖に思わず頬が緩みニヤニヤしながら写真を見つめ、「ふへへ…、」なんて変な声が漏れる。


すると隣に誰かが座る気配と同時にラウールが俺のスマホを覗き込んできた。

ラウール
え、めめの待ち受けってそれ?阿部ちゃん?
目黒蓮
ん…?そう。可愛いでしょ。
ラウール
それ前の阿部ちゃんの寝癖の…、まさか盗撮…?
目黒蓮
…………別に…誰にもあげてないし見せてないからいいだろ。
ラウール
はは、やっば。めめ犯罪してんじゃん。
目黒蓮
誰にも迷惑かけてないから。
ラウール
阿部ちゃんにチクッちゃおっかな〜。
目黒蓮
は?まじでやめろ。阿部ちゃんの嫌がることするなよ。
ラウール
すでにしてるのはめめね?
ラウール
てかさ、そんなコソコソ撮るんじゃなくて撮らせてってお願いした方がカメラ目線の写真撮れていいんじゃないの?
目黒蓮
……ラウール、俺が阿部ちゃんにお願い出来ると思ってる?


そんなことできるんだったらもう行動してる。けど今そうしてないってことは無理だからだよ。面と向かってお願いするなんて、阿部ちゃんにキモイとか変なやつって思われるでしょ。


…まぁ阿部ちゃんは優しさの塊だからそこまで思わなかったとして、なんのためにそんな写真撮るんだろとかは思われそうだから結局そんなの無理。

ラウール
はいはい。わかったわかった。
ラウール
じゃあ俺からお願いしてあげよう。
目黒蓮
……は?


自信ありげに笑って俺の肩を叩くと、立ち上がり阿部ちゃんのもとまで歩いてく。

ラウール
あーべちゃん!
阿部亮平
ん〜?なに?
ラウール
めめがさ、最近インスタ始めたでしょ?写真を撮る練習したいらしくて…
ラウール
阿部ちゃん被写体になってくれない?
目黒蓮
え?お前なに言って、
阿部亮平
被写体?…それってラウールで良くない?
ラウール
いやいやっ、俺ふざけちゃうからさっきめめに怒られちゃったんだよね。
ラウール
ねぇ!めめ、阿部ちゃんがいいよね?
目黒蓮
…は、いや、
阿部亮平
……めめ?
阿部亮平
俺でよければ手伝うよ?
目黒蓮
っ……、ほんっ…まじで…?


ラウールの突然の振りにも嫌な顔1つ見せず、心配そうに俺の目を見ながら阿部ちゃんはそう言ってきた。


こいつっ、ラウール…天才じゃん。


だって今から自由に阿部ちゃんを撮れるってことだよね。今までコソコソ撮ってきたけどこんな堂々と撮れる日が来るとは思ってもみなかった。

目黒蓮
えっと、よろしくお願いします…


阿部ちゃんに向かって深く頭を下げてお願いすると、阿部ちゃんは優しく微笑んでくれた。


ぐは…っ!今の顔撮りたいっ!聖母の微笑み…っ、!!

ラウール
阿部ちゃんありがとー!
阿部亮平
ううん、ほんとに俺なんかでよかったのかな?
ラウール
阿部ちゃんがいいんだよ〜。


そんな2人の会話を傍で聞きながらスマホのカメラを起動し、阿部ちゃんに向かって撮影ボタンを押す。


カシャっと音がなり画面を確認すると、そこには阿部ちゃんの可愛い可愛い笑顔が映ってる。

目黒蓮
かっっわ"…っ、
阿部亮平
……あっ、え?もう撮ってる?


漏れそうになった声を咄嗟に手で塞ぎながら阿部ちゃんを見つめると、阿部ちゃんは少し照れくさそうにしながら笑う。

阿部亮平
撮るなら言ってよ…俺変な顔してなかった?
目黒蓮
っっ……ぅぐ、
ラウール
めめ抑えれてない。


なんだその上目遣いっ、目の前でそれはやばいって。
可愛いが過ぎるって!!!

目黒蓮
ふぅ…だ、大丈夫。変な顔じゃない。
阿部亮平
ほんとに?変な顔のやつあったら後で消してね?恥ずかしいから…!
目黒蓮
……………もちろん。
ラウール
その間は消さないやつじゃん。
目黒蓮
…ラウール、お前ちょっとどっか行ってろ。
目黒蓮
じゃあ、阿部ちゃん撮るよ?


「俺がお願いしてあげたのに冷たーい」なんて言うラウールを離れさせて今度はちゃんと声をかけてから、カメラを向ける。


カシャカシャカシャカシャ!と連写すると、急な連写にびっくりしたらしく、阿部ちゃんは少し目を大きく開きながらキョロキョロと周りを見たりして焦っててそれもまた可愛くて写真を撮る手を止められない。

阿部亮平
あ、ちょっ、と待って!
目黒蓮
え?


しばらくすると連写に耐えられなくなったのか顔を真っ赤にし自分の顔を手で覆い隠し下を向いてしまった。


あっ、やばい…いきなり撮りすぎてしまった。


だって毎秒違う阿部ちゃん出てくるんだもん。全部違くて全部可愛くて撮り逃さないために……、やってしまった。

目黒蓮
ご、ごめんっ!大丈夫?
阿部亮平
っ、だぃ……じょぶ…


顔を隠してて表情は見えないけど耳まで真っ赤になってて全然大丈夫そうじゃない。

目黒蓮
阿部ちゃんほんとごめん…、急にいっぱい撮ってびっくりしたよね。
阿部亮平
ううん…だぃじょうぶ、


指の間から少し目だけ覗かせて俺を見つめてくる。


な、なんだその……激かわポーズっ…、

阿部亮平
撮られ慣れてるはずなんだけど…、めめから撮られてるって思ったらちょっと緊張しちゃって。
阿部亮平
……できたら、もう少し、スローペースというか…ゆっくりにしてくれると嬉しいかも…
目黒蓮
……あ、ごめん、だよね。そうだよね。


可愛い阿部ちゃんに見蕩れてる場合じゃない。


そうだ、浮かれて自分勝手過ぎた。推しが困ることはしたくないし、推しを悲しませるなんて以ての外。

阿部亮平
ううん、俺こそ急に止めちゃってごめんね?


顔を覆ってた手を離したと思えば少し赤くなってる顔で微笑んで俺を見つめ、阿部ちゃんは俺の手を優しく握った。

阿部亮平
撮影再開しよ?


は?手……手をにぎっ、俺、今、手握られてる…。

目黒蓮
う、うん…


手細っ、綺麗…こんな無料の握手会があっていのか…?お金払わせて欲しいんだけど。


目をパチパチさせて今の状況に浸ってると何を思ったのか阿部ちゃんは握ってた俺の手を掴み、ぎゅっと指を絡める。

目黒蓮
え、?
阿部亮平
ごめん…少しだけこうさせて?そしたら緊張もほぐれる気がするから…
阿部亮平
だめ…かな?


こてんっと可愛らしく首を傾けてあざとくお願いしてくる。


えっとこれはわざとなのか?お願いするための手段?てか手握って指絡めて首こてんっとかもう可愛さが上限突破してる。


阿部ちゃんから手の温もりを感じるし、その大きな瞳は俺から目をそらさないし、こんな…こんな、

目黒蓮
だめ、じゃなぃ…です…


プシュ〜っと頭から煙を出しながら顔を真っ赤にさせる俺に対し、阿部ちゃんは「えへへ」と可愛く微笑んでまたぎゅっと俺の手を握った。


うぐっ、推しの過剰供給……もう俺死ぬ。


目の前が輝いて見えてもう目も開けられない。可愛い笑顔と温もりを直に受けて体が耐えきれない。


あれ…こんなにも眩しいのってここまさか天国…?あぁそっか、阿部ちゃんの可愛さについにやられ…

ラウール
おーい、めめ…生きてる?
目黒蓮
…いてっ、……え?あれ、俺死ん…
ラウール
馬鹿なこと言ってないで。阿部ちゃん困ってるから。


いつの間にか横にいたラウールにぺちぺちと頬を叩かれ現実に引き戻される。


阿部ちゃんが困ってる?…あ、そうだ手握られてっ…!

阿部亮平
めめ?体調悪いの?


ラウールに向けてた視線を前に戻せばほぼゼロ距離に阿部ちゃんの顔があり、俺のおでこに阿部ちゃんのおでこがくっついた。

目黒蓮
へ……?
ラウール
あ…
阿部亮平
わっ、めっちゃ熱いよ!?めめ熱あるんじゃない?


目の前に広がる顔、鼻に香る阿部ちゃんの匂い。


近っ……


その瞬間、ぐらっと視界が揺れて天井が見えたのを最後に体はそのまま後ろに倒れ込んだ。

阿部亮平
めめっ!?
ラウール
あっぶな…!
ラウール
は、?めめ?めめ…ちょっと、嘘でしょ?意識飛んでない!?
向井康二
ラウ?どしたん……、めめっ!??
渡辺翔太
何騒いで………ラウールお前何やったんだよ。
ラウール
いやこれは…、ちょっとした手助けのつもりだったんだけど…
岩本照
あーあ、こいつ意識飛ばしてるくせして幸せそうな顔してんな。
佐久間大介
え?なに、蓮倒れたの?
阿部亮平
ねぇ、めめ…これ大丈夫なの?病院とか、
宮舘涼太
病院行って治るものじゃない。
阿部亮平
えっ…そんな重い病気…
深澤辰哉
違う、あー…、あれだよ。幸せのキャパ超えちゃったんだよ。
阿部亮平
は、え…??…どういうこと?



その後無事、数分後に意識を取り戻した俺は阿部ちゃんへの耐性がつくまで(メンバーから)接触を控えるよう言われた。


いや、俺から近づいたつもりはないんだけどな。
でも確かに、阿部ちゃんを困らせないためにだったら…なんとか耐性つくよう努力しよう。






ちょっとオチ迷いすぎてダラダラ書き続けちゃいました。長くなってすみません。


前回も含めて🖤がキャラ崩壊しまくってて少し皆さん不快に思われないか不安なんですけど、コメディだから大丈夫ですよね?笑


勝手な解釈ですが、コメディだったらなんでもありだって思ってるのでこれからもどんどんキャラ崩壊させていきます。オタク🖤くんをどうか暖かい目で見てあげてください🙏


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