第8話

第7Q
2,248
2021/01/08 07:14
あなたSide
後ろから呪力を感じた

……傑センセーか

髪を整えて眼帯を付ける
(なまえ)
あなた
何故ここに?
傑先生
夏油 傑
夏油 傑
おや、気が付かれていたか
(なまえ)
あなた
傑先生特有の呪力を感じましてね
割りやすいよねこの人
(なまえ)
あなた
それで?
なんの御用でしょうか
夏油 傑
夏油 傑
そろそろかと思って呼びに来たんだけど…
煙草は感心しないよ
(なまえ)
あなた
はぁ……バレた…
一番面倒くさそうな人に…
(なまえ)
あなた
何時から居た?
夏油 傑
夏油 傑
電話出たあたり
(なまえ)
あなた
ほぼ全部じゃねーか
巫山戯んな
(なまえ)
あなた
話は聞いてたっつー事かよ
頭を抱えてしゃがむ
夏油 傑
夏油 傑
そんなに嫌なのかい?
(なまえ)
あなた
あんた面倒くさいじゃん
性格悪いし
夏油 傑
夏油 傑
そう思われてたのか…
(なまえ)
あなた
なァに最高の褒め言葉だろ“性格悪い”と“ゲス”は
俺達にとっては…な
夏油 傑
夏油 傑
喋り方も一人称も目も違うんだね君
(なまえ)
あなた
当たり前
こっちの方が楽なんだよイロイロと
あいつ等騙せるしよ
夏油 傑
夏油 傑
あいつ等?
教室行くまでに話すでいいか
(なまえ)
あなた
教室向かいながら話す
二人で並んで歩く
(なまえ)
あなた
元々僕は自分の事“私”っつってた
髪も肩まで
眼はカラコンで黑
先生からも生徒からも頼られる優等生っつーレッテルを付けられて過ごしてきた
部活はバスケ部…伝説の7人目
夏油 傑
夏油 傑
あなたが7人目…
(なまえ)
あなた
嗚呼
楽しかったさ…バスケをやるのは
勝てる楽しみ…仲間と協力してやるバスケは楽しくて楽しくて何時も練習してたさ
でも…ある日僕は強くなりすぎて敵が戦意喪失するようになった
夏油 傑
夏油 傑
傑センセーは静かに聞く
(なまえ)
あなた
多分そこからだ…僕が壊れ始めたのは
次に才能が開花したのは青峰大輝…彼奴は敵が戦意喪失した途端やる気を失くした
そこからキセキは才能を開花する人が続々と出て…それから…ッ
話すのが辛くなって下唇を噛んだ

また手に力が入る…

目の前に広がる光景

〝111-11〟と表示されるポイント

絶望した顔の荻原や明光の生徒

涙を流す黒子

なんで…

私の絶望と黒い感情

笑顔が無いキセキ

挫折よりも苦しい勝利

息ができなくて

苦しくて

そこにじぶんがいるかわからなくなって

ふわふわして

なみだがゆかにちらばって

しかいがゆがんで

きせ黄色

あおみね

むらさきばら

あかし

みどりまもいちばんいてほしかったときにいなくて

くろこががっこうにこなくなって

わたしもそとにでなくなって

じぶんがかんぜんにこわれて

あいてをこわしたくてこわしたくてたまらくなって

わたしのぜつぼうをあいつらにもっておもって

それで

それで

それでッ…

そ…れで…


(なまえ)
あなた
ぁ…あぁ…
息ができない

嫌だ

嫌だ

嫌だ

思い出したくない

バスケに救われた

バスケのお陰で行きたいと思えた

バスケが希望だった

私の生きる希望が壊された

生きる意味が壊された

嗚呼、声が遠のいて行く

苦しい

苦しい

苦しい

私が試合に出てたらあんな事はなかった?

説得すればよかった?

私の才能が開花しなければ良かった?

分からない

あの日

あの日確かにすべてが変わったんだ…すべて…

嗚呼、誰かが叫んでる

喉が痛い

叫んでるのは僕か

僕が叫んでるのか

喉が痛い

でも

一番痛いのは

心だ

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