「…ガチャ」
ワイワイしていた楽屋が静まり
私の方へ視線が向けられる
あ「( …怖い… )」
下を向いて歩き始めた
マ「じゃ〜ん!奇跡の3期生ちゃんを連れてきました〜!」
マ「じゃあ…挨拶お願いします!」
あ「………」
死ぬんじゃないかと、思った
心臓の高鳴り具合が凄すぎる
深呼吸をして…
前を向いた
あ「…始めまして、北海道から来ました高校2年生17歳の山本あなたです。…沢山迷惑をかけてしまうと思いますが、よろしくお願いします。」
何とか言いきった
目の前には大好きな欅坂46
でも今見ているのは推しとかじゃなくて…
メンバー…
今にも泣き出しそうになった
すると
「可愛い〜〜〜〜〜!!!!!!」
………え?
織「え、無理、ちっさ!かわい!」
鈴「あなたちゃんよろしくね〜〜!」
保「かわええなぁ、、」
…あれ?思ってた雰囲気と違った
あまり見てくれない先輩達もいるけど…
少しだけ認められたような気がして
あ「…うっ…」
自然と涙が出ていた
不思議と体が外に向かっていて
気づいたら走って逃げていた
「…はぁ…はぁ…」
何してるんだろう
嬉しいと不安が混ざって意味がわからなくなった
あ「屋上…」
「…ガチャ」
そこには青空が広がっていた
あ「私、何をしてるんだろう…」
なんて考えながら座りこもうとしたら
見覚えのある短い髪が目の前で揺れていた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!