第3話

第1章
951
2020/10/27 12:18
ーーーーー side 大樹


床全体に広がる靴音、その中で流れる音楽
大きく響き渡る音楽の中で振り付けを確認していた
それも、世界さんが付けたダンス振り付けの確認



世界
世界
よし、休憩にしよう!
FANTA
FANTA
はーい!
慧人
慧人
結構動きましたね。
堀夏
堀夏
疲れたー。



世界さんの一言で皆それぞれ荷物がある場所へいき、休憩を取り始めた

水を取りながらスマホを弄るメンバーがいれば、じゃれるように騒いでいるメンバーもいる

世界さんは自分が付けたダンスの振り付けの確認をしていた

俺も、と皆を見てから水を取り出して口にしたあと、不意に周りを見てから気付く


窓の外を眺めている、黎弥の姿があった

それが何故か気になってタオルで汗を拭いながら歩み寄った



大樹
大樹
黎弥。
黎弥
黎弥
・・・?はい、どうしました?



声をかけると振り向いた黎弥
でも、その時に見えた深刻そうな表情
それがやはり気になった



大樹
大樹
いや、窓の外見てたから気になったんだ。
黎弥
黎弥
あぁ、そうだったんですね。



表情のことはあえて言わないでそう言うと
黎弥は納得したと思ったら、また窓の外を見た



黎弥
黎弥
・・・ねぇ、大樹君。
大樹
大樹
ん?何?



ふと話しかけられて俺はそう聞くと



黎弥
黎弥
もし、俺が天使だって言ったら、信じますか?



突然、感情を此方に見せないように隠すような素振りをしたまま、そう聞いてきた



大樹
大樹
え?それって・・・



どういう意味?
そう口にしようとしたけれど



世界
世界
よし、そろそろ始めるぞー!



世界さんの一言で、続きを繋げる筈の言葉は途切れた



黎弥
黎弥
行きましょ?大樹君。
大樹
大樹
え?あ、うん・・・



メンバーが集まっていくのを見ながら黎弥もそう言って歩いていく

その黎弥の後ろ姿を見ながら自分も、と歩き出した途端


ヒラリ、と、何かが視界を横切った


横切ったそれに気付いてそれを探そうと視線を向けると、其処には純白の羽根が一つ落ちていた


どこから?


鳥の羽根よりも大きいその羽根を一つ拾う

それを気にしながらも自分の鞄にそれをしまい、皆がいる場所へ向かった





思えばこれが、全ての始まりだったのかもしれない


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