第7話

第5章
491
2020/11/16 14:38
ーーーーー side Taiki


大樹
大樹
・・・うーん・・・



家に帰ってからも気になるのは手に持っている真っ白な羽根

何処から入ってきたのかわからないし、そもそも、鳥の羽根より大きい羽根に違和感がある


でも、純白に染まったその羽根は汚れを知らないような色で綺麗だ



大樹
大樹
お前は一体、何だろう・・・



ポツリと呟いてから思い出したのは、あの場所で聞かれた黎弥の言葉




黎弥
黎弥
(回想)もし俺が、天使だって言ったら信じますか?




嘘偽りなく、まるで何かを確かめていたような言い方だった



大樹
大樹
天使・・・



不意に思い出したあの日の出来事


勇征と颯太が入る前の夢者修行の時に起きた事故
あのときは澤夏が倒れてきた機材の下敷きになって大怪我を負い、なっちゃんと慧人を落ち着かせようと離れていた
かなりの大怪我を負っていた澤夏だったから、かなり時間がかかると思っていた

だけど、落ち着いた翌日に目にしたのは完全に回復した澤夏の姿だった
それには俺も世界さんも目を丸くした


だけど、その時に微かに見えたものがあった

橙色の星形のネックレス

今まで無かった筈の物が其処にあった



大樹
大樹
もしかして、あれと関係してるのかな。



聞いてみないとわからないけど

そう思いながら次第に眠気が襲ってきて、俺は純白の羽根を手にしたまま深い眠りに落ちていった


手元にある羽根が、違う形に変わっていくのを気付かないまま


それに気付いたのは、朝方になってからだった

気付けば寝ていたと思った俺が目にしたのは、昨日まであった筈の羽根が形を変えたまま俺の手にあった


赤色に染まった星形のネックレス

それがなんだかとても綺麗だと思った



大樹
大樹
綺麗だけど、星の形・・・澤夏のと同じ形だ。



やっぱり、羽根と関係してるんだ

そう思った俺は黎弥に聞いてみようと思い、そのネックレスを首元に付けて立ち上がった


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