第30話

第27章
400
2020/12/16 00:09
ーーーーー side Leiya


仕事を終えてからも龍友さんと話をしていて、その後に皆がGENERATIONSさんと話しているのを見ていたときに気付いた



黎弥
黎弥
(涼太さんと夏輝君がいない・・・)



何処に行ったんだろう、と思っていたら涼太さんと夏輝君が戻ってきたのが見えた
涼太さんは輪になっているのを見ると、その中へと入って話の中に入った
その姿を見てから隣にきた夏輝君を見ると、夏輝君は表情を少し固めたようにネックレスを握っていた



黎弥
黎弥
夏輝君?



何を聞かれたの?
何を伝えられて、その表情なの?

そう思いながら呼ぶと、我に返ったように夏輝君が俺の方を見る



澤夏
澤夏
あ、ごめん、何?
黎弥
黎弥
大丈夫?
何か、思い悩んでいたから・・・



俺がそう聞くと、夏輝君はまたあの表情になったと思うと、何かを決めたように俺の方を向いた



澤夏
澤夏
黎弥、ちょっといい?



そう言われて頷くと、夏輝君は場所を変えようと言って歩き出して俺も後を追った
ちょうど仕事が終わってたから後は帰るだけだったし、と思いながら夏輝君と向かったのは屋上
屋上に来ると、不意に夏輝君の手が震えているのがわかった
そして、振り向いた夏輝君から聞いたのは、悪魔の存在のこと

夏輝君曰く、涼太さんから聞いた話で悪魔も何処かにいるらしく
悪魔は災いを振り下ろす厄介なものを持っているという



黎弥
黎弥
・・・じゃぁ、夏輝君と世界さんが怪我をしたのは、俺を苦しめるため・・・?
澤夏
澤夏
涼太さんの話からするとね。
しかも一番最初に出会った人から
目をつけていくみたいなんだ。
黎弥
黎弥
・・・俺の、せいで・・・



俺のせいだ
俺が、天使としていたから
皆と一緒にいると決めたから
だから、皆が怪我をしてしまうんだ

皆だけじゃない

何時かは先輩方や後輩も狙われるかもしれない


俺が、此処にいるから


そう心の中で呟きながら思っていると、フワリと暖かい感触で
顔を上げると、夏輝君が俺の身体を優しく抱きしめていた



澤夏
澤夏
これだけはハッキリ言う。
黎弥は悪くない。
黎弥
黎弥
・・・!
澤夏
澤夏
慧人が言ってたでしょ。
『黎弥を守りたい』って。
悲しませたくないし
笑顔にしたい
それは皆同じ気持ちなんだよ。
俺は黎弥に出会えて嬉しいし
助けてくれて嬉しかった
だから、力になると決めたんだ。
それはずっと変わらない。
悪魔でもなんでも構わない
絶対に黎弥から離れないし守るよ。
黎弥
黎弥
夏輝、君・・・



最初に出会った時からずっと優しい夏輝君
俺が天使だと言っても傍にいてくれた

だから、夏輝君からの言葉が嬉しかった

涙が出そうになった途端、頭に触れた感触が来て
振り向くと世界さんがいて、その後ろに大樹君達とGENERATIONSさんもいた



世界
世界
悪い、澤夏。
今の話、聞こえてしまった。
澤夏
澤夏
・・・すみません。
世界
世界
いや、謝らなくていい。
俺も同じ気持ちだったから。
黎弥
黎弥
・・・?
世界
世界
俺さ、お前らに出会った時
守ってやりたいと決めてたんだ。
黎弥が天使だと知ってからも
それは変わらなかった。
怪我を負ってから黎弥が助けて
くれた後に倒れたのを見たときは
更に強く守りたいときめた。
何時でも力になるから。
黎弥
黎弥
世界さん・・・
大樹
大樹
俺も、黎弥が天使だと知ってから
力になることないかなと思っていた
でも、さっきの話が聞こえて
絶対に負けないくらい守りたい。
黎弥
黎弥
大樹、君・・・
堀夏
堀夏
俺も、翔太君が黎弥君を
支えてくれたように
俺達が支えて守るから
慧人
慧人
黎弥君の笑顔も全部守りたいです
黎弥
黎弥
夏喜・・・慧人・・・
勇征
勇征
だから、思い悩まないでください
俺達が傍にいます。
颯太
颯太
僕達は黎弥君の味方です。
悪魔なんかに負けないくらい
黎弥君を絶対に守りますから。
黎弥
黎弥
勇征・・・颯太・・・



皆の言葉が暖かくて、とうとう涙が溢れて、声を押し殺しながら流した


悪魔に狙われて、皆が狙われていく

それを知ってから怖くなって
離れた方がいいと思っていたのに


皆は優しくて、守る気持ちが伝わってくる

それが、凄く嬉しくてしかたなかった


俺、もっと強くなるよ
悪魔なんかに負けない、絶対に

皆が守ってくれるように
俺も皆を守るから


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