ーーーーー side Keito
世界さんのことを聞いて医務室で皆で世界さんを見ていた
でも、黎弥君が世界さんの胸元に羽根の毛を乗せて翳すと星形のネックレスに変わって、世界さんが目を開けた
それを見て大樹君が安心していたけど、今度は黎弥君が倒れて、澤夏君に抱き抱えられて長椅子に寝かした
それには僕達は勿論、目を開けて身体を起こした世界さんも驚いて見ていた
恐る恐ると世界さんが呼ぶと黎弥君が荒い息を吐きながら世界さんを見た
そう言って安心したと思ったら黎弥君はそのまま目を閉じてしまって
その次に聞こえてきたのは小さな寝息
堀夏君の言葉に黎弥君の傍にいる澤夏君がそう答える
でも、どうして黎弥君は倒れてしまったのだろう
そう思いながら考えていると、不意に、あることを思い出した
さっきまで楽屋にいたときに教えてくれた黎弥君の言葉
それで、もしかしたら、という考えが出てきて、澤夏君を見る
その答えに、やっぱり、という確信が出た
そこまで言って大樹君が直ぐに気付いたのか言葉を止めて目を見開く
それは世界さんも、堀夏君も同じだった
そう言って澤夏君が橙色の星形のネックレスを握るように優しく掴む
あの時、確かに澤夏君は怪我を負って僕も堀夏君もパニックになりかけていた
でも、次の日になると澤夏君は怪我を直ぐ治したように元気になっていて、代わりに星形のネックレスがあった
あれは、黎弥君が治した証だったんだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!