第40話

第37章
349
2021/01/27 09:22
ーーーーー side Sota


ラファエルさんがいなくなったあと、僕は掌にあるハープの形をした水晶を見る

水晶琴クリスタル・ハープ

これがあったら、黎弥君を守れるのかな


それは勇征君も同じみたいで、僕の隣に座って弓矢の形をした水晶を見ていた

水晶弓矢クリスタル・アロー

剣になるって言われていた



勇征
勇征
俺と颯太の掌にある、これが
あれば、黎弥君を守れるんだよね?
颯太
颯太
黎弥君を、守れますか・・・?



僕と勇征君の言葉に、黎弥君が手を握ってきた
水晶琴クリスタル・ハープ水晶弓矢クリスタル・アローを握りしめている方の手を



黎弥
黎弥
認めてくれた証だから大丈夫だよ。
勇征
勇征
え?
黎弥
黎弥
ラファエル様が勇征と颯太に渡した
という事は、皆は天使である俺を
守り抜く優しき心を持つ人の子だって
理解してくれたから。
だから、その証を2人に渡したんだ

それだけではない、水晶は歌と
舞に共鳴して色や姿形を変えるんだよ



そう言われて不意に思い出した
ラファエルさんは黎弥君に聞いていた

『この子は歌唄い?』って

あれは、そういうことだったんだ


そう納得したまま勇征君と目を合わした途端、扉の向こうから聞こえた複数の足音
何事かと世界さんと大樹君が振り向いたのと同時に開いた扉
そこにいたのは、龍友さんと樹さん、竜太君の3人



堀夏
堀夏
龍友さん?
慧人
慧人
樹さんと竜太君も。
龍友
龍友
す、すまん・・・急に来てもうて・・・
澤夏
澤夏
だ、大丈夫ですか?
樹
寧ろ、此方が聞きたいくらいで・・・
竜太
竜太
今、気配を感じたから
慌てて抜けてきちゃって・・・
FANTA
FANTA
あ・・・
黎弥
黎弥
ラファエル様か・・・
龍友
龍友
やっぱり来たんか?!
大樹
大樹
はい・・・というより・・・
今帰っていったばかりですが・・・
樹
なにもされませんでしたか?!
世界
世界
それは大丈夫。勇征と颯太に
何かを渡していっただけだから。
竜太
竜太
え?
勇征
勇征
これ・・・
勇征君が掌にあるそれを見せたから僕もそれを見せると樹さんと竜太君が目を見開く



樹
竜太君、これって・・・
竜太
竜太
あぁ・・・【治癒の神器】だ
そたゆせ
そたゆせ
【治癒の神器】?
樹
三大天使様にはそれぞれ2つずつ
神器があるんです。ミカエル様には
力の象徴なので剣が神器で
ガブリエル様は言霊の象徴として
銃が神器、そして、ラファエル様は
治癒の象徴なので琴が神器に
なってるんです。

ラファエル様が勇征と颯太に渡した
ということは、信頼された証です
竜太
竜太
でも、弓矢まで差し出されてるし
結構信頼された証拠だな。
慧人
慧人
え、弓矢は違うんですか?
竜太
竜太
弓矢は治癒の神器の
隠し武器なんだ。
本来はあの方が持っていた
筈なんだけど...
樹
でも、何ともなくて良かったです。
龍友
龍友
でも、何かあったら言うんやで?
FANTA
FANTA
はい。



龍友さん達に言われて僕達は一言答えた

手の中にあるそれを優しく握り締めながら


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